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2年生「生化学Ⅰ」定期試験 (2019年7月31日,1時間目実施) の正答
2年生「生化学Ⅰ」定期試験(2019年7月31日,1時間目実施)の正答

問題1・・・4   (4点)
問題2・・・1   (4点)
問題3・・・各2点
問題4・・・各2点
問題5・・・1   (4点)
問題6・・・2   (4点)
問題7・・・各2点
問題8・・・5   (4点)
問題9・・・各2点
問題10・・・各2点
問題11・・・4   (4点)
問題12・・・各2点
問題13・・・5   (4点)
問題14・・・各2点
問題15・・・5   (4点)
問題16・・・2   (4点)
問題17・・・各2点
問題18・・・各2点
問題19・・・各2点
問題20・・・3   (4点)
問題21・・・2   (4点)
問題22・・・各2点
問題23・・・4   (4点)
問題24・・・各2点
問題25・・・3   (4点)


[備考]
1.試験の翌日(8月1日)以降は、可能な範囲でいつでも得点の照会に応じます。

2.試験問題に疑問がある場合や解説が必要な場合は、可能な範囲でいつでも質問等に応じます。

3.採点済みの答案用紙は、後期「生化学Ⅱ」の最初の授業で返却します。(万一採点ミスがあった場合は、その後でも修正可能です。)
第33回管理栄養士国家試験 問題21 平成31年3月3日(日)
第33回管理栄養士国家試験 問題21 平成31年3月3日(日)

21 生体エネルギーと代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) 褐色脂肪細胞には、脱共役たんぱく質(UCP)が存在する。
 (2) 電子伝達系は、ミトコンドリアの外膜にある。
 (3) 嫌気的解糖では、1分子のグルコースから3分子のATPを生じる。
 (4) AMPは、高エネルギーリン酸化合物である。
 (5) 脂肪酸は、コリ回路によりグルコースとなる。



(1) 正文です。脱共役たんぱく質には数種のアイソフォームがありますが、褐色脂肪細胞に存在する脱共役たんぱく質1(UCP1)は、最初に発見されたものです。ついでに、「脱共役たんぱく質は電子伝達系と酸化的リン酸化(ATP合成)を脱共役させて、ATP合成を抑制する」こともしっかりと思い出しておきましょう。国試でよく問われます。

(2) 電子伝達系は、ミトコンドリアの外膜ではなく内膜に存在する反応系です。還元当量の還元力を利用して、酸化的リン酸化によりATPを合成します。

(3) クリアでない表現ですが、誤文と判断してください。グルコース1分子が嫌気的解糖(すなわち解糖系)で代謝されると、2分子のATPが分解消費され、4分子のATPが合成されます。したがって、差し引きするとグルコース1分子から2分子のATPが合成されることになります。だから誤文と判断します。(ただし、日本語としては、「1分子のグルコースから3分子のATPを生じる」という表現も誤りとは言えませんので、国試や入試においてはこのような疑義のある表現は避けてほしいところです。)

(4) ADPやATPは、高エネルギーリン酸結合をもちますが、AMPはもっていません。よって誤文です。この説明だけで不十分なようでしたら、ATPの構造を図で見て、どこが高エネルギーリン酸結合かを復習しておきましょう。

(5) コリ回路によってグルコースに変換されるのは、乳酸です。そもそも生体内では、脂肪酸からグルコースは作られません。「脂肪酸は糖新生の基質にならないこと」や「コリ回路」は、国試頻出項目ですので、しっかりと覚えておきましょう。



答えは(1)です。
第33回管理栄養士国家試験 問題20 平成31年3月3日(日)
第33回管理栄養士国家試験 問題20 平成31年3月3日(日)

20 核酸の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1)RNA鎖は、2重らせん構造をとる。
 (2)DNA鎖中でアデニンに対応する相補的塩基は、シトシンである。
 (3)ヌクレオチドは、六炭糖を含む。
 (4)DNAからmRNA(伝令RNA)が合成される過程を、翻訳と呼ぶ。
 (5)尿酸は、プリン体の代謝産物である。



(1) RNA分子は、1本鎖として存在していますので、DNAのような2重らせん構造ではありません。分子内で水素結合を形成している場合もありますが、らせん構造ではありません。

(2) これは高校の生物基礎のレベルですね。アデニンと相補的塩基対を形成するのは、シトシンではなくチミンです。AとTですね。簡単な内容ですが最近国試に頻出しますので、うっかり不覚をとることがないように復習しておきましょう。

(3) ヌクレオチドやヌクレトシドを構成する糖は、リボースやデオキシリボースです。したがって、六炭糖(ヘキソース)ではなく五炭糖(ペントース)です。

(4) これも高校の化学基礎で学んだ内容です。DNAの塩基配列にもとづいてmRNA(伝令RNA、メッセンジャーRNA)が合成される過程は、「転写」です。「翻訳」は、mRNAの塩基配列にもとづいてタンパク質が合成される過程のことをいいます。

(5) 正文です。アデニンやグアニンなどのプリン塩基の代謝産物として、尿酸が生成されます。尿酸の生成が亢進したり、尿酸の排泄が抑制されたりすると、高尿酸血症が生じて痛風の原因となります。このこともしっかり思い出しておきましょう。


答えは(5)です。
第33回管理栄養士国家試験 問題19 平成31年3月3日(日)
第33回管理栄養士国家試験 問題19 平成31年3月3日(日)

19 たんぱく質、糖質および脂質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) βシートは、アミノ酸側鎖間の結合により形成される。
 (2) たんぱく質の4次構造は、複数のサブユニットで形成される。
 (3) フルクトースは、ラクトースの構成要素である。
 (4) ヒアルロン酸は、長鎖脂肪酸である。
 (5) 人体を構成する不飽和脂肪酸の大部分は、トランス型である。



(1) たんぱく質の2次構造の一種であるβシート構造(β構造)は、ペプチド結合間の水素結合によって形成されます。アミノ酸側鎖間の結合によるものではありません。

(2) たんぱく質の4次構造は、複数のポリペプチド鎖の会合によって形成されます。それぞれのポリペプチド鎖のことをサブユニットといいますので、これは正文です。

(3) ラクトースを構成する単糖は、グルコースとガラクトースです。フルクトースは含まれていません。ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)などの代表的な二糖の構成糖は覚えておきましょう。

(4) ヒアルロン酸は多糖類です。脂肪酸ではありませんので、誤文です。これはわかりやすい誤文だと思います。

(5) トランス型ではなくシス型です。天然の不飽和脂肪酸の炭化水素鎖中の二重結合は、シス型であることを、しっかりと覚えておきましょう。水素添加処理によって人工的に製造されたマーガリンやショートニングなどでは、一部の二重結合がトランス型になることが知られています。これらを多量に摂取するとLDLコレステロール値が上昇し、動脈硬化症のリスクが増すと考えられています。


答えは(2)です。
第33回管理栄養士国家試験 問題18 平成31年3月3日(日)
第33回管理栄養士国家試験 問題18 平成31年3月3日(日)

18 ヒトの細胞の分裂と分化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) 受精卵は、多能性を有する細胞である。
 (2) 胚性幹(ES)細胞は、分化した細胞である。
 (3) 細胞の染色体数は、減数分裂により46本になる。
 (4) 体細胞分裂は、細胞周期の間期に起こる。
 (5) 体細胞のテロメアは、細胞分裂に伴って伸長する。



(1) 多能性とは、多様な細胞に分化することができる性質のことです。たとえばiPS細胞は、神経細胞や心筋細胞、骨髄幹細胞などに分化させることが可能なため、多能性をもっていると言います。受精卵は細胞分裂を繰り返し、体を構成するありとあらゆる細胞のもとになりますので、明らかに多能性をもっています。よって正文です。(受精卵は全能性をもっているため、厳密には「多能性」という言葉は使いません。拡大解釈して「全能性も多能性の一種」と考えて、ぎりぎり正文といったところでしょうか。)

(2) 胚性幹細胞(ES細胞)は、胚に由来する未分化な細胞から作製された、多能性をもった細胞です。したがって、「分化した」というのは間違っており、誤文です。

(3) ヒトの体細胞の1個の核に含まれる染色体数は、23対46本です。減数分裂が起きると、これが半分になりますので、23本になります。減数分裂は生殖細胞形成時に起きる分裂で、そのため卵や精子に含まれる染色体数は23本になります。受精によって両者が合わさって、23対46本に戻る仕組みです。よって、「46本」ではなく「23本」です。

(4) 高校の生物基礎レベルの問題です。細胞周期は細胞が分裂する「分裂期」とそれ以外の「間期」に分けられます。よって、分裂が起きるのは「分裂期」であって「間期」ではありません。もしもゆとりがあるようなら、間期はさらにG1期、S期、G2期に分けられることも思い出しておくと、なお良いでしょう(ここまで国試で出題された例はありませんが)。

(5) テロメアは細胞分裂にしたがって短くなりますので、誤文です。これは覚えておきましょう。テロメアは、細胞の寿命や老化と関連があるものと目されており、注目されています。


答えは(1)です。