2017年03月20日 (月)
平成27年度 栄養士実力認定試験 問題23 平成27年12月13日(日)
問題23 遺伝子の構造と機能についての記述である。正しいのはどれか。
(1) DNAからDNAを合成することを、転写という。
(2) mRNAの合成は、粗面小胞体で行われる。
(3) DNAからmRNAを合成することを、翻訳という。
(4) tRNAには、アンチコドンがある。
(5) mRNAからたんぱく質を合成することを、複製という。
(1) 転写ではなく、複製といいます。複製によって元とまったく同じDNAが作られ、DNAが倍化します。
(2) mRNAの合成(すなわち転写とスプライシング)は、粗面小胞体ではなく、核で行われます。
(3) DNAの塩基配列にしたがって特定の塩基配列をもつmRNA(メッセンジャーRNA、伝令RNA)を合成することを、転写といいます。翻訳ではありません。
(4) 正文です。tRNA(トランスファーRNA、転移RNA)には、mRNA上のコドンと相補的な塩基配列をもつアンチコドンが存在します。これは、管理栄養士国家試験にも頻出する項目です。しっかり覚えておきましょう。
(5) mRNAからたんぱく質を合成することは、複製ではなく翻訳といいます。核酸の言葉をたんぱく質の言葉に置き換えると考えれば、わかりやすいと思います。
答えは(4)です。
問題23 遺伝子の構造と機能についての記述である。正しいのはどれか。
(1) DNAからDNAを合成することを、転写という。
(2) mRNAの合成は、粗面小胞体で行われる。
(3) DNAからmRNAを合成することを、翻訳という。
(4) tRNAには、アンチコドンがある。
(5) mRNAからたんぱく質を合成することを、複製という。
(1) 転写ではなく、複製といいます。複製によって元とまったく同じDNAが作られ、DNAが倍化します。
(2) mRNAの合成(すなわち転写とスプライシング)は、粗面小胞体ではなく、核で行われます。
(3) DNAの塩基配列にしたがって特定の塩基配列をもつmRNA(メッセンジャーRNA、伝令RNA)を合成することを、転写といいます。翻訳ではありません。
(4) 正文です。tRNA(トランスファーRNA、転移RNA)には、mRNA上のコドンと相補的な塩基配列をもつアンチコドンが存在します。これは、管理栄養士国家試験にも頻出する項目です。しっかり覚えておきましょう。
(5) mRNAからたんぱく質を合成することは、複製ではなく翻訳といいます。核酸の言葉をたんぱく質の言葉に置き換えると考えれば、わかりやすいと思います。
答えは(4)です。
2015年01月12日 (月)
第28回管理栄養士国家試験 問題142 平成26年3月23日(日)
142 不足すると、骨粗鬆症の発症リスクが高まるビタミンである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) ビタミンA
(2) ビタミンK
(3) ビタミンB1
(4) ビタミンB2
(5) 葉酸
もしも選択肢の中にビタミンDがあれば、それを選べば簡単なのですが、残念ながらありません。これらのビタミンの中では、(2)のビタミンK が骨粗鬆症と関わっています。ビタミンKは、骨中での石灰化に関わるたんぱく質であるオステオカルシンの合成に必要とされますので、不足すると石灰化が抑制されるため、骨粗鬆症の発症リスクが高まると考えられます。
答えは(2)です。
142 不足すると、骨粗鬆症の発症リスクが高まるビタミンである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) ビタミンA
(2) ビタミンK
(3) ビタミンB1
(4) ビタミンB2
(5) 葉酸
もしも選択肢の中にビタミンDがあれば、それを選べば簡単なのですが、残念ながらありません。これらのビタミンの中では、(2)のビタミンK が骨粗鬆症と関わっています。ビタミンKは、骨中での石灰化に関わるたんぱく質であるオステオカルシンの合成に必要とされますので、不足すると石灰化が抑制されるため、骨粗鬆症の発症リスクが高まると考えられます。
答えは(2)です。
2014年06月30日 (月)
第28回管理栄養士国家試験 平成26年3月23日(日)
24 生体エネルギーと生体酸化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ達べ。
(1) グルタチオンは、活性酸素の産生に関与する。
(2) ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3) 脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4) ATPの産生は、同化の過程で起こる。
(5) 電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
(1) グルタチオンは、活性酸素を産生するのではなく、還元して消去する働きをもちます。
(2) 簡単な正文です。ATPは高エネルギーリン酸結合をもつ化合物です。
(3) 脱共役たんぱく質は、電子伝達系と酸化的リン酸化とを脱共役しますので、ATP合成は抑制されます。
(4) 同化ではなく異化の過程で起こります。グルコースなどの熱量素を分解する過程で、ATPが合成されますので、異化の過程です。一方、同化はたんぱく質や脂質などを生合成する過程ですので、一般にATPの分解(エネルギーの消費)を伴います。
(5) 国試頻出項目です。電子伝達系の最終的な電子受容体は、水素ではなく酸素です。絶対に覚えておきましょう。
答えは(2)です。
24 生体エネルギーと生体酸化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ達べ。
(1) グルタチオンは、活性酸素の産生に関与する。
(2) ATPは、高エネルギーリン酸化合物である。
(3) 脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP合成を促進する。
(4) ATPの産生は、同化の過程で起こる。
(5) 電子伝達系の電子受容体は、水素分子である。
(1) グルタチオンは、活性酸素を産生するのではなく、還元して消去する働きをもちます。
(2) 簡単な正文です。ATPは高エネルギーリン酸結合をもつ化合物です。
(3) 脱共役たんぱく質は、電子伝達系と酸化的リン酸化とを脱共役しますので、ATP合成は抑制されます。
(4) 同化ではなく異化の過程で起こります。グルコースなどの熱量素を分解する過程で、ATPが合成されますので、異化の過程です。一方、同化はたんぱく質や脂質などを生合成する過程ですので、一般にATPの分解(エネルギーの消費)を伴います。
(5) 国試頻出項目です。電子伝達系の最終的な電子受容体は、水素ではなく酸素です。絶対に覚えておきましょう。
答えは(2)です。
2013年09月14日 (土)
第27回管理栄養士国家試験 平成25年3月17日(日)
問題78 栄養素の消化・吸収と体内動態に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1) ペプシノーゲンは、トリプシンによって活性化される。
(2) スクロースは、小腸微絨毛膜の酵素によって消化される。
(3) 胃酸分泌は、ガストリンによって抑制される。
(4) 脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって抑制される。
(5) 吸収された脂溶性ビタミンは、キロミクロンに取り込まれて運搬される。
(1) ペプシノーゲンは、胃内においてペプシンと胃酸によって加水分解され、活性化されます。(トリプシンによって活性化されるとすると、ペプシンが小腸に送られてから活性化されることとなり、すぐにおかしいと気づくものと思います。)
(2) スクロースは小腸微絨毛膜に存在するスクラーゼによって消化され、吸収されます。よって正文です。
(3) 胃粘膜の胃腺を構成するG細胞から分泌されるガストリンは、同じく胃腺を構成する壁細胞に作用して胃酸分泌を促進します。
(4) 脂溶性ビタミンは胆汁酸によって乳化されることにより、吸収が促進されます。
(5) 脂溶性ビタミンは水に溶解しませんので、キロミクロンとして運搬されます。よって正文です。
答えは(2)と(5)です。
問題78 栄養素の消化・吸収と体内動態に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1) ペプシノーゲンは、トリプシンによって活性化される。
(2) スクロースは、小腸微絨毛膜の酵素によって消化される。
(3) 胃酸分泌は、ガストリンによって抑制される。
(4) 脂溶性ビタミンの吸収は、胆汁酸によって抑制される。
(5) 吸収された脂溶性ビタミンは、キロミクロンに取り込まれて運搬される。
(1) ペプシノーゲンは、胃内においてペプシンと胃酸によって加水分解され、活性化されます。(トリプシンによって活性化されるとすると、ペプシンが小腸に送られてから活性化されることとなり、すぐにおかしいと気づくものと思います。)
(2) スクロースは小腸微絨毛膜に存在するスクラーゼによって消化され、吸収されます。よって正文です。
(3) 胃粘膜の胃腺を構成するG細胞から分泌されるガストリンは、同じく胃腺を構成する壁細胞に作用して胃酸分泌を促進します。
(4) 脂溶性ビタミンは胆汁酸によって乳化されることにより、吸収が促進されます。
(5) 脂溶性ビタミンは水に溶解しませんので、キロミクロンとして運搬されます。よって正文です。
答えは(2)と(5)です。
2012年11月23日 (金)
第26回管理栄養士国家試験 平成24年3月18日(日)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
26 糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) ヘキソキナーゼは、糖新生系の律速酵素である。
(2) 肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在する。
(3) グリコーゲンが加リン酸分解されると、グルコースが生成する。
(4) ペントースリン酸回路は、尿素回路の側路である。
(5) グルカゴンは、グリコーゲン合成を促進する。
(1) × 糖新生系ではなく、解糖系の酵素です。
(2) ○ グルコース-6-ホスファターゼは、肝臓(および腎臓)に存在する酵素です。これは必ず覚えましょう。グリコーゲンの加リン酸分解によって生じたグルコース-1-リン酸からグルコース-6-リン酸が生じ、これをグルコースにするのが「グルコース-6-ホスファターゼ」です。この酵素があるから、肝臓はグリコーゲンからグルコースを作り出し、血糖を供給することができます。(筋肉ではグリコーゲンを加リン酸分解しても、血糖を補うことはできません。)
(3) × グルコースではなく、グルコース1-リン酸が生じます。加水分解ならばグルコースが生じますが、加リン酸分解である点に注意。
(4) × ペントースリン酸回路と尿素回路とは、全く別の反応経路です。
(5) × グルカゴンは、グリコーゲンの分解を促進して、血糖値を上昇させるホルモンです。
答えは(2)です。
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
26 糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) ヘキソキナーゼは、糖新生系の律速酵素である。
(2) 肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在する。
(3) グリコーゲンが加リン酸分解されると、グルコースが生成する。
(4) ペントースリン酸回路は、尿素回路の側路である。
(5) グルカゴンは、グリコーゲン合成を促進する。
(1) × 糖新生系ではなく、解糖系の酵素です。
(2) ○ グルコース-6-ホスファターゼは、肝臓(および腎臓)に存在する酵素です。これは必ず覚えましょう。グリコーゲンの加リン酸分解によって生じたグルコース-1-リン酸からグルコース-6-リン酸が生じ、これをグルコースにするのが「グルコース-6-ホスファターゼ」です。この酵素があるから、肝臓はグリコーゲンからグルコースを作り出し、血糖を供給することができます。(筋肉ではグリコーゲンを加リン酸分解しても、血糖を補うことはできません。)
(3) × グルコースではなく、グルコース1-リン酸が生じます。加水分解ならばグルコースが生じますが、加リン酸分解である点に注意。
(4) × ペントースリン酸回路と尿素回路とは、全く別の反応経路です。
(5) × グルカゴンは、グリコーゲンの分解を促進して、血糖値を上昇させるホルモンです。
答えは(2)です。