2017年05月24日 (水)
平成28年度 栄養士実力認定試験 問題23 平成28年12月11日(日)
問題23 核酸とその構成成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1) ヌクレオチドは、五炭糖、リン酸、塩基の3要素から構成される。
(2) ヌクレオシドは、ヌクレオチドから塩基がはずれた物質である。
(3) DNAにはリボースが、RNAにはデオキシリボースが含まれる。
(4) アデニンは、ピリミジン塩基の一種である。
(5) プリンヌクレオチドは、ピリミジンヌクレオチドの前駆体になる。
(1) 正文です。ヌクレオチドは、五炭糖(ペントース)であるリボースあるいはデオキシリボース、リン酸および塩基(アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル)から構成されています。
(2) ヌクレオシドは、ヌクレオチドから塩基ではなくリン酸がはずれた物質に相当します。
(3) 逆です。DNA(デオキシリボ核酸)にはデオキシリボースが含まれ、RNA(リボ核酸)にはリボースが含まれています。
(4) アデニン(A)とグアニン(G)は、プリン塩基です。シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)はピリミジン塩基です。必ず区別できるようにしておきましょう。語尾が「ニン」で終わるのがプリンと覚えてもいいですし、CUT(カット,切る)はみじん切りでピリミジンと覚えてもいいと思います。
(5) プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチドは、全く別の合成経路で生合成されます。したがって、一方が他方の前駆体になることはありえません。
答えは(1)です。
問題23 核酸とその構成成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1) ヌクレオチドは、五炭糖、リン酸、塩基の3要素から構成される。
(2) ヌクレオシドは、ヌクレオチドから塩基がはずれた物質である。
(3) DNAにはリボースが、RNAにはデオキシリボースが含まれる。
(4) アデニンは、ピリミジン塩基の一種である。
(5) プリンヌクレオチドは、ピリミジンヌクレオチドの前駆体になる。
(1) 正文です。ヌクレオチドは、五炭糖(ペントース)であるリボースあるいはデオキシリボース、リン酸および塩基(アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル)から構成されています。
(2) ヌクレオシドは、ヌクレオチドから塩基ではなくリン酸がはずれた物質に相当します。
(3) 逆です。DNA(デオキシリボ核酸)にはデオキシリボースが含まれ、RNA(リボ核酸)にはリボースが含まれています。
(4) アデニン(A)とグアニン(G)は、プリン塩基です。シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)はピリミジン塩基です。必ず区別できるようにしておきましょう。語尾が「ニン」で終わるのがプリンと覚えてもいいですし、CUT(カット,切る)はみじん切りでピリミジンと覚えてもいいと思います。
(5) プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチドは、全く別の合成経路で生合成されます。したがって、一方が他方の前駆体になることはありえません。
答えは(1)です。
2017年05月03日 (水)
平成28年度 栄養士実力認定試験 問題22 平成28年12月11日(日)
問題22 アミノ酸についての記述である。正しいのはどれか。(この問題は、公式には「解なし」とされています.)
(1) ロイシンは、糖原性アミノ酸である。
(2) トリプトファンは、分枝鎖アミノ酸である。
(3) たんぱく質を構成するアミノ酸は、D型である。
(4) アラニンは、必須アミノ酸である。
(5) オルチニン(←オルニチンと読み替えてください)は、尿素サイクルの中間代謝物質である。
この問題は、(5)の選択肢で「オルニチン」と記すべきところが「オルチニン」と誤記されていたため、公式には「解なし」とされています。ここでは、これを正しく「オルニチン」と読み替えて解説しています。
(1) ロイシンは、完全なケト原性アミノ酸です。これは覚えておきましょう。
(2) トリプトファンは、芳香族アミノ酸(あるいは異環アミノ酸)に属します。分枝鎖アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシンです。これは覚えておきたいところです。
(3) たんぱく質を構成するアミノ酸は、D型(D体)ではなく、L型(L体)です。
(4) アラニンは、非必須アミノ酸です。必須アミノ酸9種類は、必ず暗記しておきましょう。
(5) オルニチン、シトルリン、アルギニンは、尿素サイクルの代表的な中間代謝物です。
答えは(5)です。
問題22 アミノ酸についての記述である。正しいのはどれか。(この問題は、公式には「解なし」とされています.)
(1) ロイシンは、糖原性アミノ酸である。
(2) トリプトファンは、分枝鎖アミノ酸である。
(3) たんぱく質を構成するアミノ酸は、D型である。
(4) アラニンは、必須アミノ酸である。
(5) オルチニン(←オルニチンと読み替えてください)は、尿素サイクルの中間代謝物質である。
この問題は、(5)の選択肢で「オルニチン」と記すべきところが「オルチニン」と誤記されていたため、公式には「解なし」とされています。ここでは、これを正しく「オルニチン」と読み替えて解説しています。
(1) ロイシンは、完全なケト原性アミノ酸です。これは覚えておきましょう。
(2) トリプトファンは、芳香族アミノ酸(あるいは異環アミノ酸)に属します。分枝鎖アミノ酸は、バリン、ロイシン、イソロイシンです。これは覚えておきたいところです。
(3) たんぱく質を構成するアミノ酸は、D型(D体)ではなく、L型(L体)です。
(4) アラニンは、非必須アミノ酸です。必須アミノ酸9種類は、必ず暗記しておきましょう。
(5) オルニチン、シトルリン、アルギニンは、尿素サイクルの代表的な中間代謝物です。
答えは(5)です。
2017年05月02日 (火)
問題20 生体エネルギーについての記述である。正しいのはどれか。
(1) ATPの合成は、摂取したエネルギー源を同化する過程で起こる。
(2) 電子伝達系において電子は、最終的に二酸化炭素に渡される。
(3) グルコースの嫌気的代謝によって生じるATPは、好気的代謝よりも多い。
(4) 解糖系では、酸化的リン酸化によりATPが合成される。
(5) 酸化的リン酸化は、ミトコンドリア内膜で行われる。
(1) ATPの合成(言い換えればエネルギーの産生)は、エネルギー源の異化の過程で起こります。同化ではありません。
(2) 電子伝達系において、電子は最終的に酸素に受け渡され水を生じます。二酸化炭素ではありません。
(3) 逆です。解糖系などの嫌気的代謝で生じるATPよりも、クエン酸回路(TCAサイクル)やβ酸化などの好気的代謝によって生じるATPの方が多いです。
(4) 解糖系では、酸化的リン酸化ではなく、基質レベルのリン酸化によってATPが合成されます。基質レベルのリン酸化とは、リン酸をもつ基質に酵素が作用することによりADPにリン酸が移行し、ATP合成が起こる反応を指します。一方、酸化的リン酸化は、電子伝達系と共役してミトコンドリア内でATPが合成される反応です。
(5) 正文です。そのまま覚えておきましょう。
答えは(5)です。
(1) ATPの合成は、摂取したエネルギー源を同化する過程で起こる。
(2) 電子伝達系において電子は、最終的に二酸化炭素に渡される。
(3) グルコースの嫌気的代謝によって生じるATPは、好気的代謝よりも多い。
(4) 解糖系では、酸化的リン酸化によりATPが合成される。
(5) 酸化的リン酸化は、ミトコンドリア内膜で行われる。
(1) ATPの合成(言い換えればエネルギーの産生)は、エネルギー源の異化の過程で起こります。同化ではありません。
(2) 電子伝達系において、電子は最終的に酸素に受け渡され水を生じます。二酸化炭素ではありません。
(3) 逆です。解糖系などの嫌気的代謝で生じるATPよりも、クエン酸回路(TCAサイクル)やβ酸化などの好気的代謝によって生じるATPの方が多いです。
(4) 解糖系では、酸化的リン酸化ではなく、基質レベルのリン酸化によってATPが合成されます。基質レベルのリン酸化とは、リン酸をもつ基質に酵素が作用することによりADPにリン酸が移行し、ATP合成が起こる反応を指します。一方、酸化的リン酸化は、電子伝達系と共役してミトコンドリア内でATPが合成される反応です。
(5) 正文です。そのまま覚えておきましょう。
答えは(5)です。
2017年05月02日 (火)
平成28年度 栄養士実力認定試験 問題19 平成28年12月11日(日)
問題19 脂質についての記述である。正しいのはどれか。
(1) オレイン酸は、必須脂肪酸である。
(2) アラキドン酸は、多価不飽和脂肪酸である。
(3) リノール酸は、n-9系の必須脂肪酸である。
(4) 脂肪酸とグリセロールの結合をグリコシド結合という。
(5) ホスファチジルコリンは、構成成分に糖を含む複合脂質である。
(1) オレイン酸は、生体内で合成可能な非必須脂肪酸です。必須脂肪酸を覚えておけば、間違わないですね。
(2) アラキドン酸は、その炭化水素鎖内に二重結合を4つもっています。炭化水素鎖内の二重結合の数が2つ以上の脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいますので、正文です。
(3) リノール酸は、ω6位(炭化水素鎖のメチル基のある末端から6番目の炭素)に二重結合をもつ、n-6系の必須脂肪酸です。n-9系ではありません。
(4) アシルグリセロールの脂肪酸とグリセロールの結合は、エステル結合です。グシコシド結合は、糖(炭水化物)でみられる脱水縮合による結合です。
(5) ホスファチジルコリンの構成成分は、グリセロール、脂肪酸、リン酸およびコリンです。糖は含まれていません。
答えは(2)です。
問題19 脂質についての記述である。正しいのはどれか。
(1) オレイン酸は、必須脂肪酸である。
(2) アラキドン酸は、多価不飽和脂肪酸である。
(3) リノール酸は、n-9系の必須脂肪酸である。
(4) 脂肪酸とグリセロールの結合をグリコシド結合という。
(5) ホスファチジルコリンは、構成成分に糖を含む複合脂質である。
(1) オレイン酸は、生体内で合成可能な非必須脂肪酸です。必須脂肪酸を覚えておけば、間違わないですね。
(2) アラキドン酸は、その炭化水素鎖内に二重結合を4つもっています。炭化水素鎖内の二重結合の数が2つ以上の脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいますので、正文です。
(3) リノール酸は、ω6位(炭化水素鎖のメチル基のある末端から6番目の炭素)に二重結合をもつ、n-6系の必須脂肪酸です。n-9系ではありません。
(4) アシルグリセロールの脂肪酸とグリセロールの結合は、エステル結合です。グシコシド結合は、糖(炭水化物)でみられる脱水縮合による結合です。
(5) ホスファチジルコリンの構成成分は、グリセロール、脂肪酸、リン酸およびコリンです。糖は含まれていません。
答えは(2)です。
2017年04月30日 (日)
平成28年度 栄養士実力認定試験 問題18 平成28年12月11日(日)
問題18 酵素についての記述である。正しいのはどれか。
(1) 酵素は、化学反応の活性化エネルギーを高める。
(2) ミカエリス定数(Km)が同じ酵素をアイソザイムという。
(3) 至適温度は、酵素反応の速度が最も遅い温度である。
(4) ペプシンの至適pHは、2前後である。
(5) 律速酵素は、代謝経路の中で最も速い反応を触媒する。
(1) 逆です。酵素は化学反応の活性化エネルギーを低下させることによって、反応速度を高めます。
(2) アイソザイムというのは、同一の化学反応を触媒する酵素で、構造(一次構造)が異なる酵素のことを指します。ミカエリス定数は関係ありません。
(3) 逆です。反応速度が最も大きくなる温度のことを、至適温度(最適温度)といいます。
(4) 正文です。胃の中で作用するペプシンは、胃酸が存在する強い酸性条件でよく働きます。至適pHは1~2です。
(5) これも逆です。最も遅い反応を触媒する酵素を、律速酵素(キーエンザイム,鍵酵素)といいます。律速酵素は、その経路の代謝速度を決定するという意味で重要性が高い酵素です。
答えは(4)です。
問題18 酵素についての記述である。正しいのはどれか。
(1) 酵素は、化学反応の活性化エネルギーを高める。
(2) ミカエリス定数(Km)が同じ酵素をアイソザイムという。
(3) 至適温度は、酵素反応の速度が最も遅い温度である。
(4) ペプシンの至適pHは、2前後である。
(5) 律速酵素は、代謝経路の中で最も速い反応を触媒する。
(1) 逆です。酵素は化学反応の活性化エネルギーを低下させることによって、反応速度を高めます。
(2) アイソザイムというのは、同一の化学反応を触媒する酵素で、構造(一次構造)が異なる酵素のことを指します。ミカエリス定数は関係ありません。
(3) 逆です。反応速度が最も大きくなる温度のことを、至適温度(最適温度)といいます。
(4) 正文です。胃の中で作用するペプシンは、胃酸が存在する強い酸性条件でよく働きます。至適pHは1~2です。
(5) これも逆です。最も遅い反応を触媒する酵素を、律速酵素(キーエンザイム,鍵酵素)といいます。律速酵素は、その経路の代謝速度を決定するという意味で重要性が高い酵素です。
答えは(4)です。