第31回管理栄養士国家試験 問題122 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題122 平成29年3月19日(日)

122 ビタミン、ミネラルとその欠乏あるいは蓄積により生じる疾患の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) ビタミンA ----- ペラグラ
 (2) ビタミンC ----- 骨軟化症
 (3) 葉酸 ------------- 巨赤芽球性貧血
 (4) ヨウ素 ---------- ヘモクロマトーシス
 (5) 亜鉛 ------------- ウイルソン病




(1) ペラグラは、ビタミンB群の一種であるナイアシン(ニコチン酸)の欠乏によって発症します。ビタミンAではありません。

(2) 骨軟化症は、ビタミンDの欠乏によって起こりやすくなります。ビタミンCではありません。

(3) 正しい組合せです。葉酸が欠乏すると核酸合成が抑制されて、赤芽球(赤血球の前駆細胞)から赤血球への正常な分化が妨げられます。そのため巨赤芽球という、酸素運搬能を欠く大型の細胞が血液中に認められるようになり、貧血を来します。「葉酸あるいはビタミンB12の欠乏により、巨赤芽球性貧血を来す」ことは、必ず覚えておきましょう。

(4) ヘモクロマトーシスは、ヨウ素ではなく鉄の過剰な蓄積によって生じる疾患です。

(5) ウイルソン病は、亜鉛ではなく銅の過剰な蓄積によって生じる疾患です。




答えは(3)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題80 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題80 平成29年3月19日(日)

80 ビタミンの欠乏状態における身体状態の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) ビタミンDの欠乏では、骨塩量が減少する。
 (2) ビタミンKの欠乏では、血液凝固の時間が短縮する。
 (3) ビタミンB1の欠乏では、乳酸の血中濃度が低下する。
 (4) ビタミンB12の欠乏では、DNAの合成が促進される。
 (5) 葉酸の欠乏では、ホモシステインの血中濃度が低下する。




(1) 正文です。ビタミンDが欠乏すると、小腸からのカルシウムの吸収が低下します。その結果、骨吸収(骨から血液中にカルシウムが溶出されること)が亢進し、骨塩量が減少します。

(2) 逆です。ビタミンKの欠乏では、フィブリノーゲンやプロトロンビンなどの血液凝固因子の合成が低下し、血液凝固にかかる時間が長くなります。

(3) 逆です。解糖系で生じたピルビン酸がアセチルCoAに変換され、クエン酸回路(TCAサイクル)に取り込まれるためには、チアミンピロリン酸(ビタミンB1の活性型)を補酵素として必要とします。したがってビタミンB1が欠乏すると、ピルビン酸がうまくクエン酸回路に取り込まれなくなり、乳酸に変換されるようになります。よって、乳酸の血中濃度は、低下ではなく上昇します。

(4) これも逆です。DNAなどの核酸の合成には、ビタミンB12が必須です。したがって、これが欠乏するとDNA合成は抑制されます。

(5) これも逆です。葉酸が欠乏すると、ホモシステインからメチオニンへの変換が滞り、ホモシステインの血中濃度が上昇します。なお、高ホモシステイン血症は、動脈硬化症の危険因子と考えられています。




答えは(1)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題79 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題79 平成29年3月19日(日)

79 脂質の臓器間輸送に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) カイロミクロンは、肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送する。
 (2) VLDLのコレステロール含有率は、LDLより大きい。
 (3) LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与する。
 (4) 末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)が関与する。
 (5) 脂肪組織から血中に放出された脂肪酸は、アルブミンと結合して輸送される。




(3)と(4)の誤文の判定が難しいと思います。比較的わかりやすい(5)を正文と判定して、切り抜けたい問題です。血中において遊離脂肪酸は血清アルブミンに結合して輸送されることを、しっかりと覚えておきましょう。

(1) 肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送するのは、カイロミクロンではなくVLDLです。カイロミクロンは、主に食事由来のトリアシルグリセロールを小腸から他の器官に輸送します。

(2) 誤文です。LDLのコレステロール含有率は、リポタンパク質の中で最大です。

(3) LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みには、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)は関与していません。関与しているのは、LDL受容体です。[あるいは、LDLが細胞に取り込まれた後にリソソームで分解されて生じたコレステロールをエステル化する、アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)との勘違いを狙った問題でしょうか?]

(4) 末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みには、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与しています。LCATは、組織や血液中の遊離コレステロールをエステル化することにより、HDL中への取り込みに関与します。

(5) 正文です。脂肪酸は、リポたんぱく質によってではなく、血清アルブミンと結合して輸送されます。これはこのまま覚えておきましょう。




答えは(5)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題78 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題78 平成29年3月19日(日)

78 炭水化物の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) コリ回路では、アラニンからグルコースが産生される。
 (2) 空腹時には、糖原性アミノ酸からグルコースが産生される。
 (3) 組織へのグルコース取り込みは、コルチゾールによって促進される。
 (4) 健常者では、食後2時間で、血糖値が最大となる。
 (5) 血糖値が低下すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は抑制される。




(1) 誤文です。コリ回路では、乳酸からグルコースが産生されます。より詳しくは、無酸素運動によって筋組織中で生成された乳酸が血流によって肝臓に運ばれ、そこでグルコースに変換され、再び血流によって筋組織に運ばれ利用されるという回路です。

(2) 正文です。空腹時には血糖値が低下しますので、生体は何とかしてグルコースをつくって血糖を補おうとします。肝臓では貯蔵しているグリコーゲンを分解して血糖を補います。また糖以外の物質からグルコースを合成する(すなわち糖新生を行う)原料としては、糖源性アミノ酸や上記(1)の乳酸、トリアシルグリセロールの分解などで生じるグリセロールが利用されます。

(3) コルチゾールは、代表的な糖質コルチコイド(グルココルチコイド)で、血糖値を上昇させる方向に働くホルモンです。組織内へのグルコースの取り込みを促進すると、血糖値を下げることになりますので、おかしいと気づく必要があります。コルチゾールは組織へのグルコースの取り込みを阻害しますので、誤文です。

(4) 2時間は長すぎますね。食後2時間ですと、食後一旦上昇した血糖値が平常値まで戻っているころです。よって誤文です。

(5) 逆です。上の(2)の解説にも記したとおり、血糖値が低下すると脂肪組織中のトリアシルグリセロールの分解が亢進し、グリセロールは糖新生の材料となり、また、脂肪酸はエネルギー源として利用されます。脂肪組織中のトリアシルグリセロールが飢餓時に備えたエネルギーの貯蔵体であることを思い起こせば、特にホルモン感受性リパーゼなどを思い出さなくても、容易に誤文と判断できると思います。




答えは(2)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)

72 摂取した食物の消化管内における消化とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) トリプシンは、活性型の酵素たんぱく質として分泌される。
 (2) 膵液中のアミラーゼは、でんぷんを消化してオリゴ糖を生成する。
 (3) セクレチンは、ペプシンの分泌を促進する。
 (4) コレシストキニンは、膵臓からのHCO3-の分泌を促進する。
 (5) ガストリンは、胆嚢からの胆汁の分泌を促進する。



セクレチン、コレシストキニンおよびガストリンといった消化管ホルモンは、国家試験に頻出する項目ですので、どこから分泌されどこにどのような作用をするのかを、しっかりと覚えておきましょう。

(1) 間違いです。トリプシンは膵臓で合成され、不活性型のトリプシノーゲン(プロ酵素)として分泌され、小腸内で限定的加水分解を受け、活性型のトリプシンに変換されます。

(2) 正文です。膵液中のアミラーゼ(α-アミラーゼ)は、でんぷんやグリコーゲンなどの分子中のα-1,4グリコシド結合を1つおきに加水分解し、分解産物として主にマルトース(二糖類なのでオリゴ糖に属します)を生じます。

(3) セクレチンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、膵臓に作用して炭酸水素イオン(重炭酸イオン)に富んだ膵液の分泌を促進します。ペプシンの分泌は促進しません。

(4) コレシストキニンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、胆嚢の収縮を促し、胆汁の分泌を促進します。膵臓からのHCO3-の分泌は促進しません。

(5) ガストリンは、胃粘膜から分泌され、胃に作用して胃液の分泌を促進します。胆嚢からの胆汁の分泌は、促進しません。




答えは(2)です。