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第32回管理栄養士国家試験 問題80 平成30年3月4日(日)
第32回管理栄養士国家試験 問題80 平成30年3月4日(日)

80 血液中のカルシウム濃度の変化とその応答に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

  (1) カルシウム濃度が低下すると、カルシトニンの分泌が高まる。
  (2) カルシウム濃度が低下すると、活性型ビタミンDの産生が高まる。
  (3) カルシウム濃度が低下すると、腎臓におけるカルシウムの再吸収が抑制される。
  (4) カルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が促進される。
  (5) カルシウム濃度が上昇すると、骨吸収が促進される。


カルシウム代謝調節の問題ですので、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)および活性型ビタミンDの3種類のホルモンの作用をしっかりと復習しておきましょう。少なくとも、血中カルシウム濃度はカルシトニンで低下し、副甲状腺ホルモンや活性型ビタミンDで上昇することは、必ず思い出しておく必要があります。

(1) 逆です。カルシトニンは血中カルシウム濃度を低下させるホルモンですので、血中カルシウム濃度が低下すると、カルシトニン分泌は抑制されます。

(2) 正文です。血中カルシウム濃度が低下すると、これを正常に戻すために副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されます。副甲状腺ホルモンは、ビタミンDの活性型ビタミンDへの変換を促進することにより、小腸におけるカルシウムの吸収を高め、血中カルシウム濃度を高めます。

(3) 逆です。血中カルシウム濃度が低下すると、これを正常に戻すために副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌されます。副甲状腺ホルモンは、腎臓におけるカルシウムの再吸収を促進し、血中カルシウム濃度を維持します。

(4) 逆です。血中カルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌は抑制されます。副甲状腺ホルモンは血中カルシウム濃度を上げるホルモンであることがわかれば、間違えないと思います。

(5) 逆です。血中カルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌は抑制され、カルシトニンの分泌は亢進します。前者は骨吸収を促進し、後者は骨吸収を抑制します。よって骨吸収は抑制されます。「骨吸収」という言葉が、骨からカルシウムを溶かし出して血中カルシウム濃度を上げることを意味することが分かっていれば、ホルモンの作用とは関係なく、誤文だと判断できると思います。




答えは(2)です。

第32回管理栄養士国家試験 問題77 平成30年3月4日(日)
第32回管理栄養士国家試験 問題77 平成30年3月4日(日)

77 脂質の体内代謝と臓器間輸送に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1) ホルモン感受性リパーゼは、食後に活性化される。
  (2) カイロミクロンは、門脈経由で肝臓に運ばれる。
  (3) リポたんぱく質は、粒子の外側に疎水成分をもつ。
  (4) LDLの主なアポたんぱく質は、アポA1である。
  (5) ケトン体は、脳でエネルギー源として利用される。



(1) ホルモン感受性リパーゼは、脂肪組織に蓄えられたトリアシルグリセロールを加水分解する酵素です。加水分解によって生じた脂肪酸は血流によって全身に運ばれ、エネルギー源として使われます。つまり、ホルモン感受性リパーゼの活性が上がるときは、エネルギー源が必要な時=空腹時(低血糖時)ということになります。したがって、食後ではなく、空腹時に活性化されます。もちろん、グルカゴンやアドレナリンで活性化され、インスリンで抑制されることも思い出しておく必要があります。

(2) 門脈経由ではありません。小腸絨毛内のリンパ管(乳糜管)→リンパ管→左鎖骨下静脈といった経路で、血流に入ります。

(3) リポたんぱく質の粒子の外部には、疎水成分ではなく、親水成分をもちます。そもそもリポたんぱく質とは何かがわかっていれば、簡単な問題です。水に溶けない脂質を血液やリンパ液の乗せて運ぶためのカプセルのようなものですから、表層部のリン脂質は疎水性の部分を内側の脂質に向け、親水性の部分を外の血液やリンパ液の方に向けています。アポたんぱく質も同様です。

(4) アポA1ではなく、アポB-100です。ここまで覚えていれば言うことはありませんが、もしも忘れてしまっても、自信をもって(5)が正文だとわかれば、この問題はクリアできることと思います。

(5) アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸などのケトン体は、筋肉や飢餓時の脳でエネルギー源として使われます。よって正文です。




答えは(5)です。

第32回管理栄養士国家試験 問題75 平成30年3月4日(日)
第32回管理栄養士国家試験 問題75 平成30年3月4日(日)

75 血糖とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1)グルコースの筋肉組織への取込は、インスリンにより促進される。
  (2)グルカゴンは、筋肉グリコーゲンの分解を促進する。
  (3)組織重量当たりのグリコーゲン量は、肝臓より筋肉の方が多い。
  (4)コリ回路では、アミノ酸からグルコースが産生される。
  (5)脂肪酸は、糖新生の材料として利用される。



(1) 正文です。筋細胞にインスリンが作用すると、筋細胞内へのグルコースの輸送が促進され、血糖値が低下します。このとき、筋細胞膜においてグルコース輸送担体「GLUT4」が増加することにより、グルコースの取込が促進されます。

(2) グルカゴンは筋細胞ではなく肝細胞に作用して、肝グリコーゲンの分解を促進します。このことと関連して、グリコーゲンの分解は加リン酸分解であることを思い出しておきましょう。また筋組織には、グルコース 6-ホスファターゼが存在しないため、グリコーゲンからグルコースを作ることができず、したがって血糖を補うこともできない点も、思い出しておきましょう。

(3) 逆です。筋肉よりも肝臓の方がグリコーゲン含有率が高いので、組織重量当たりでは肝臓の方がグリコーゲン量が多いことになります。ただし、肝臓よりも筋肉の方が総重量が大きいため、総量で考えると肝臓よりも筋肉の方が、グリコーゲン量が多いことになります。「組織重量当たり」なのか、「総量」なのか、しっかりと見極めましょう。

(4) コリ回路では、アミノ酸ではなく乳酸からグルコースが産生されます。筋肉で無酸素運動によって生じた乳酸は、血液を介して肝臓に入り、肝臓でグルコースに変換され、再び血液を介して筋肉に運ばれる・・・・・これがコリ回路です。国試では比較的良く出題されますので、しっかりと覚えておきましょう。

(5) 脂肪酸からはグルコースが作れらません。つまり脂肪酸は糖新生の材料にはなりません。これも国試に頻出しますので、しっかりと覚えておきましょう。短鎖だろうが中鎖だろうが長鎖だろうが、脂肪酸からはグルコースは作られません。筋細胞だろうが肝細胞だろうが、脂肪酸から糖新生はできません。また、脂肪酸のβ酸化によってできるアセチルCoAもやはり糖新生の材料になりません。「脂肪酸やアセチルCoAは糖新生の材料にならない」ことを、しっかりと覚えておきましょう。




答えは(1)です。


第32回管理栄養士国家試験 問題32 平成30年3月4日(日)
第32回管理栄養士国家試験 問題32 平成30年3月4日(日)

32 ホルモンの構造と作用機序に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1) ドーパミンは、ペプチドホルモンである。
  (2) インスリンは、細胞膜を通過して作用する。
  (3) チロキシンは、細胞膜にある受容体に結合して作用する。
  (4) アドレナリンは、核内受容体に結合して作用する。
  (5) cAMP(サイクリックAMP)は、セカンドメッセンジャーである。

(1) ドーパミンは、中枢性の神経伝達物質であり、一般的にはホルモンではありません。また、カテコールアミンの一種であり、ペプチドではありません。よって誤文です。どこかでおかしいと気づきたいところです。

(2) 誤文です。インスリンは、ペプチド(あるいはたんぱく質)ホルモンです。したがって、標的細胞の細胞膜を通過せず、その細胞膜上にある受容体に結合して、作用を発揮します。

(3) 甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)やトリヨードチロニン(T3)は、標的細胞の細胞膜を通過し、その核に存在する受容体に結合して、遺伝子の発現を制御します。「甲状腺ホルモンは、核内受容体に結合する」というのは、国試頻出項目の一つですので、しっかりと覚えておきましょう。

(4) アドレナリンは、標的細胞の細胞膜表面にある受容体に結合して、その作用を発揮します。よって誤文です。

(5) 正文です。cAMPは、代表的なセカンドメッセンジャーです。たとえば肝細胞にグルカゴンが作用する時、グルカゴンは肝細胞膜表面の受容体に結合し、この刺激が細胞内でのcAMPの急速な合成を促し、次いでグリコーゲンの分解が誘導されます。このように、プライマリーメッセンジャー(一次メッセンジャー)であるホルモンの情報を細胞内で伝達するcAMPのような物質を、セカンドメッセンジャー(二次メッセンジャー)と言います。ついでに、ATPからcAMPを合成する酵素であるアデニル酸シクラーゼ(アデニレートシクラーゼ)と、cAMPを5’-AMPに分解する酵素であるホスホジエステラーゼの名称を思い出せると、なお安心です。




答えは(5)です。
第32回管理栄養士国家試験 問題20 平成30年3月4日(日)
第32回管理栄養士国家試験 問題20 平成30年3月4日(日)

20 酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1)ミカエリス定数(Km)が小さいほど、酵素と基質の親和性が低い。
  (2)アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。
  (3)化学反応における活性化エネルギーは、酵素によって低下する。
  (4)酵素の反応速度は、至適pHで最小となる。
  (5)律速酵素は、代謝経路で最も速い反応に関与する。

(1) ミカエリス定数(Km値)は、最大反応速度(Vmax)の2分の1の反応速度を与える基質濃度と定義されます。したがって、この値が小さければ小さいほど、酵素が基質で飽和されやすいことを示します。すなわち、この値が小さければ小さいほど、酵素と基質の親和性は大きいことになりますので、これは誤文です。国試では時々問われる内容ですので、しっかりと覚えておきましょう。

(2) 酵素の本体はタンパク質(糖タンパク質)ですが、タンパク質だけでは活性を示さず、活性を発揮するためには補酵素や金属原子などの非タンパク質成分を必要とする酵素も存在します。このような酵素において、酵素本体と補酵素や金属原子などとが複合体を形成したものをホロ酵素といいます。このホロ酵素のタンパク質部分のことをアポ酵素といいますが、アポ酵素単体では一般に活性をもちません。よって誤文です。

(3) 正文です。酵素に関わる問題の中で、定番中の定番の記述です。「酵素は活性化エネルギーを低下させることによって、化学反応速度を高める」ことを、しっかりと確認しておきましょう。

(4) 逆です。酵素反応速度は至適pHで最大となります。酵素反応速度が最大となるpHを至適pHといいますので、当然ですね。

(5) これも定番の記述です。絶対に覚えておきましょう。律速酵素とは、一連の代謝経路の中で最も遅い反応を触媒する酵素のことをいいます。律速酵素は、生体内におけるフィードバック制御に関わっていたり、その代謝系を人為的に抑えるための薬剤の作用点になっていたりしますので、重要性が高い場合が多いです。




答えは(3)です。