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栄養士実力認定試験 平成22年度 問題13 
平成22年度 栄養士実力認定試験

問題13 消化腺についての記述である。正しいのはどれか。

(1) 耳下腺から分泌される唾液は、粘液性である。
(2) 膵臓の外分泌部は、ランゲルハンス島と呼ばれる。
(3) 膵管は、回腸に開口している。
(4) 膵臓は、アルカリ性の液を腸に分泌する。
(5) 胆汁は、胆嚢の細胞で産生される。


答えは(4)です。

(1) 耳下腺から分泌される唾液は、粘液性ではなく漿液性で、アミラーゼを豊富に含みます。一方、舌下腺から分泌される唾液は粘液性で、アミラーゼに乏しく、また、顎下腺は混合腺です。生化学実験でも、実際にその消化能力を比較したので、覚えている人も多いと思います。

(2) ランゲルハンス島(膵島)は、内分泌組織です。インスリンやグルカゴンなどの重要なホルモンを分泌する組織ですから、絶対に間違えてはいけません。ちなみに外分泌部は、主として腺房細胞(膵細胞)からなる腺房や、膵管を指します。

(3) 回腸ではなく十二指腸です。肝臓、膵臓、胆嚢と十二指腸とのつながり方や位置関係は、解剖生理学でも基礎栄養学でも、また生化学でも必要となる基礎的な知識です。ついでに十二指腸、空腸、回腸の位置関係や長さも復習しておきましょう。

(4) 正文です。膵臓は、炭酸水素ナトリウムに富むアルカリ性の膵液を十二指腸に分泌します。問題文では、(3)の問題の答えになるといけないので、「腸」としか書いてありませんね。

(5) 胆汁は、胆嚢ではなく肝臓で合成されます。胆汁の合成は、肝細胞の重要な機能の一つですので、確認しておきましょう。肝細胞で合成された胆汁は、小葉管胆管から肝管を経て、直接あるいは一旦胆嚢に蓄えられ、胆管を通じて十二指腸に分泌されます。