2011年10月29日 (土)
第25回管理栄養士国家試験(追加試験,平成23年7月31日)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
27 ヒトの核酸に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 核酸は、リン酸化合物である。
(2) tRNA(転移RNA)は、コドンをもつ。
(3) mRNA(伝令RNA)は、イントロンをもつ。
(4) RNAを構成するピリミジン塩基は、アデニンとチミンである。
(5) リボソームは、DNAを鋳型とするRNAの生合成(転写)を行う。
答えは(1)です。
(1) 正文です。核酸は、DNAとRNAとに大別されます。いずれも塩基、ペントース(デオキシリボースあるいはリボース)およびリン酸から構成されています。したがってリン酸化合物の一種です。ちなみに、ペントースの3’位と5’位との間で、ホスホジエステル結合を形成していることも思い出せるようにしておきましょう。
(2) コドンは、mRNA(メッセンジャーRNA、伝令RNA)上の3塩基の組合せによって形成されます。これによって、特定のアミノ酸を指定し、遺伝暗号を形成します。一方、tRNA(トランスファーRNA、転移RNA)にはコドンに対応する3塩基の組合せ(アンチコドン)が存在します。よって誤文です。
(3) イントロンとは、DNA上に存在する「たんぱく質をコードしない介在配列部分」を意味します。したがいまして、そもそもRNAにはイントロンが存在しませんので、誤文です。ちなみに、このDNAにあるイントロン部分も、一旦はRNAへと転写されますが、スプライシングの過程によって切り捨てられますので、成熟したmRNAには、イントロンに対応する配列も存在しません。
この機会に、エキソン(エクソン)とイントロンの違いや、スプライシングについても復習しておくと良いでしょう。
(4) 誤文です。文中にある次の2つの誤りのいずれかに気付けば、簡単に誤文と判断できます。
1.アデニンはピリミジン塩基ではなくプリン塩基である。
2.RNAを構成する塩基は、チミンではなくウラシルである。
(5) DNAを鋳型とするRNAの生合成(転写)は、核内で行われます。一方、mRNAの遺伝暗号に従ってたんぱく質を合成する「翻訳」は、リボソーム上で行われます。したがって誤文です。
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
27 ヒトの核酸に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) 核酸は、リン酸化合物である。
(2) tRNA(転移RNA)は、コドンをもつ。
(3) mRNA(伝令RNA)は、イントロンをもつ。
(4) RNAを構成するピリミジン塩基は、アデニンとチミンである。
(5) リボソームは、DNAを鋳型とするRNAの生合成(転写)を行う。
答えは(1)です。
(1) 正文です。核酸は、DNAとRNAとに大別されます。いずれも塩基、ペントース(デオキシリボースあるいはリボース)およびリン酸から構成されています。したがってリン酸化合物の一種です。ちなみに、ペントースの3’位と5’位との間で、ホスホジエステル結合を形成していることも思い出せるようにしておきましょう。
(2) コドンは、mRNA(メッセンジャーRNA、伝令RNA)上の3塩基の組合せによって形成されます。これによって、特定のアミノ酸を指定し、遺伝暗号を形成します。一方、tRNA(トランスファーRNA、転移RNA)にはコドンに対応する3塩基の組合せ(アンチコドン)が存在します。よって誤文です。
(3) イントロンとは、DNA上に存在する「たんぱく質をコードしない介在配列部分」を意味します。したがいまして、そもそもRNAにはイントロンが存在しませんので、誤文です。ちなみに、このDNAにあるイントロン部分も、一旦はRNAへと転写されますが、スプライシングの過程によって切り捨てられますので、成熟したmRNAには、イントロンに対応する配列も存在しません。
この機会に、エキソン(エクソン)とイントロンの違いや、スプライシングについても復習しておくと良いでしょう。
(4) 誤文です。文中にある次の2つの誤りのいずれかに気付けば、簡単に誤文と判断できます。
1.アデニンはピリミジン塩基ではなくプリン塩基である。
2.RNAを構成する塩基は、チミンではなくウラシルである。
(5) DNAを鋳型とするRNAの生合成(転写)は、核内で行われます。一方、mRNAの遺伝暗号に従ってたんぱく質を合成する「翻訳」は、リボソーム上で行われます。したがって誤文です。