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第29回管理栄養士国家試験 問題23 平成27年3月22日(日)
第29回管理栄養士国家試験 問題23 平成27年3月22日(日)

23 核酸に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1) RNAは、主にミトコンドリアに存在する。
  (2) tRNA(転移RNA)は、アミノ酸を結合する。
  (3) DNAポリメラーゼは、RNAを合成する。
  (4) cDNA(相補的DNA)は、RNAポリメラーゼによって合成される。
  (5) ヌクレオチドは、六炭糖を含む。




(1) 主なRNAは、RNA全体の約80%を占めるリボソームRNA(rRNA)です。rRNAはその名のとおり、リボソームの構成成分ですので、RNAは主にリボソームに存在することになります。ミトコンドリアではありません。

(2) tRNAは、その末端(詳しくは3’末端)にアミノ酸を結合し、mRNA上のコドンにしたがって適切なアミノ酸を運搬する役割を果たします。ついでにtRNAにはそれぞれのコドンと特異的に結合するアンチコドンと呼ばれる部位が存在することも思い出しておきましょう。国試頻出項目です。

(3) DNAポリメラーゼは、ヌクレオチドを重合させDNAを合成する酵素です。一方、RNAを合成する酵素は、RNAポリメラーゼです。これは覚えやすいですね。

(4) cDNA(相補的DNA)とは、成熟mRNAから逆転写によって合成されたDNAのことを指します。そのため、一般には逆転写酵素が使用されます。もしもこれがわからなかったとしても、合成されるのがDNAですから、RNAポリメラーゼではないということさえわかれば、誤文と判断できると思います。(補足:真核生物の遺伝子は、タンパク質をコードするエキソンがイントロンによって分断されていますが、cDNAではイントロンを含まないため、遺伝子工学領域で多用されます。)

(5) ヌクレオチドは、六炭糖(ヘキソース)ではなく、リボースやデオキシリボースなどの五炭糖(ペントース)をその構成成分としています。これは基本です。



答えは(2)です。