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第29回管理栄養士国家試験 問題28 平成27年3月22日(日)
第29回管理栄養士国家試験 問題28 平成27年3月22日(日)

28 情報伝達に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  (1) 副交感神経終末の伝達物質は、ノルアドレナリンである。
  (2) インスリン受容体は、細胞膜を7回貫通する構造をもつ。
  (3) グルカゴン受容体刺激は、肝細胞内でcGMP(サイクリックGMP)を生成する。
  (4) 細胞内カルシウムイオン濃度の低下は、筋細胞を収縮させる。
  (5) ステロイドホルモンは、遺伝子の転写を調節する。




この問題では、(2)と(3)の正誤の判定が難しいと思います。しかし、自信をもって(5)を正文として選ぶことができれば、問題を解くこと自体はさほど難しくない設問です。

(1) 副交感神経終末の伝達物質は、ノルアドレナリンではなくアセチルコリンです。高校の生物レベルの問題です。

(2) インスリン受容体はチロシンキナーゼ型の受容体です。細胞膜を7回貫通するタイプの受容体は、Gタンパク質共役型の受容体で、アドレナリンやアセチルコリンなどの受容体に見られます。

(3) グルカゴンの受容体はGタンパク質共役受容体ですので、この受容体の刺激はGタンパク質の作用を介してcAMP濃度の上昇をもたらします。cGMAではありません。

(4) 筋収縮は、筋細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇によって引き起こされます。骨格筋細胞を例に挙げると、運動神経末端部から分泌されたアセチルコリンが筋細胞に作用することにより、筋小胞体の中からカルシウムイオンが放出され、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が惹起されます。

(5) ステロイドホルモンやビタミンA、活性型ビタミンDなどは、作用を及ぼす細胞の細胞膜を通過し、細胞内あるいは核内受容体への結合を介して、遺伝子発現(転写)に影響を及ぼします。



答えは(5)です。