2017年05月30日 (火)
20 ヒトの生体エネルギーと代謝・栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1) 栄養形式は、独立栄養である。
(2) 体の構成成分として、糖質は脂質よりも多い。
(3) 解糖系は、好気的に進む。
(4) 脱共役たんぱく質(UCP)は、ミトコンドリアに存在する。
(5) 電子伝達系では、窒素分子が電子受容体として働く。
(1) これは完全な誤文です。高校の生物基礎のレベルで解ける問題です。独立栄養生物とは、無機化合物や光をエネルギー源として生きていくことができる生物のことです。分かりやすく言えば、水と二酸化炭素と光で光合成を行い、でんぷんなどの有機物質を作ることができる植物などのことです。当然ヒトは違いますね。ヒトは、他の生物が合成した有機物(炭水化物、脂質やたんぱく質など)を摂取して生きていますので、従属栄養生物ということになります。
(2) まず体脂肪率を思い出しましょう。普通は20%くらいありますね。これに対して糖質の占める割合は1%前後です。よって誤文です。たとえ糖質の占める割合がわからなかったとしても、水分が65%前後、脂肪が約20%、残りの15%程度をたんぱく質やミネラル、糖質で分け合うとすれば、糖質の割合が脂質の割合を上回らないことが常識的にわかると思います。
(3) これは深く考えすぎなければ簡単ですね。解糖系は酸素を必要とせず、嫌気的条件下で進みますので誤文です。ただ、深く考えすぎて「解糖系は酸素があってもなくても進行する。すなわち好気的条件下でも進行するから正文だ」となりかねないので、注意してください。「好気的」という言葉は、「酸素を必要とする」という意味合いですので、誤文と判定しましょう。
(4) 正文です。脱共役たんぱく質(Uncoupling protein, UCP)はミトコンドリアに存在し、H+(プロトン)の濃度勾配を解消することによって、電子伝達系と酸化的リン酸化(ATP合成)とを脱共役させます。ついでに、脱共役たんぱく質は酸化的リン酸化(ATP合成)を阻害することも確認しておきましょう。
(5) 国試頻出項目の1つです。電子伝達系では、電子は最終的に酸素に受容されます。窒素ではありません。これは必ず覚えておきましょう。
答えは(4)です。
(1) 栄養形式は、独立栄養である。
(2) 体の構成成分として、糖質は脂質よりも多い。
(3) 解糖系は、好気的に進む。
(4) 脱共役たんぱく質(UCP)は、ミトコンドリアに存在する。
(5) 電子伝達系では、窒素分子が電子受容体として働く。
(1) これは完全な誤文です。高校の生物基礎のレベルで解ける問題です。独立栄養生物とは、無機化合物や光をエネルギー源として生きていくことができる生物のことです。分かりやすく言えば、水と二酸化炭素と光で光合成を行い、でんぷんなどの有機物質を作ることができる植物などのことです。当然ヒトは違いますね。ヒトは、他の生物が合成した有機物(炭水化物、脂質やたんぱく質など)を摂取して生きていますので、従属栄養生物ということになります。
(2) まず体脂肪率を思い出しましょう。普通は20%くらいありますね。これに対して糖質の占める割合は1%前後です。よって誤文です。たとえ糖質の占める割合がわからなかったとしても、水分が65%前後、脂肪が約20%、残りの15%程度をたんぱく質やミネラル、糖質で分け合うとすれば、糖質の割合が脂質の割合を上回らないことが常識的にわかると思います。
(3) これは深く考えすぎなければ簡単ですね。解糖系は酸素を必要とせず、嫌気的条件下で進みますので誤文です。ただ、深く考えすぎて「解糖系は酸素があってもなくても進行する。すなわち好気的条件下でも進行するから正文だ」となりかねないので、注意してください。「好気的」という言葉は、「酸素を必要とする」という意味合いですので、誤文と判定しましょう。
(4) 正文です。脱共役たんぱく質(Uncoupling protein, UCP)はミトコンドリアに存在し、H+(プロトン)の濃度勾配を解消することによって、電子伝達系と酸化的リン酸化(ATP合成)とを脱共役させます。ついでに、脱共役たんぱく質は酸化的リン酸化(ATP合成)を阻害することも確認しておきましょう。
(5) 国試頻出項目の1つです。電子伝達系では、電子は最終的に酸素に受容されます。窒素ではありません。これは必ず覚えておきましょう。
答えは(4)です。