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第31回管理栄養士国家試験 問題24 平成29年3月19日(日)
24 内分泌系と神経系による情報伝達機構に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
 (1) セカンドメッセンジャーは、細胞質内で働く。
 (2) 脱分極は、細胞膜電位が負の方向に変化することをいう。
 (3) 神経活動電位の伝導速度は、無髄線維が有髄線維より速い。
 (4) アドレナリンは、細胞質内の受容体に結合する。
 (5) ノルアドレナリンは、内分泌系と神経系で働く。




(1) 正文です。たとえば、あるペプチドホルモンが標的細胞に作用する場合を考えましょう。ホルモンが標的細胞の表面にある受容体(リセプター)に結合し、そのシグナルが細胞質内でセカンドメッセンジャーの合成を引き起こし、この濃度上昇が次の生理的変化を引き起こします。よって正文です。

(2) 細胞膜電位は、静止状態では膜の内側が負(マイナス)になっており、この状態を分極していると言います。脱分極とは、これが正(プラス)に転ずることを指しますので、誤文ということになります。

(3) これは高校で習いましたよね。伝導速度は、無髄神経よりも有髄神経の方が速い(大きい)です。よって誤文です。

(4) アドレナリンの受容体(リセプター)は、細胞膜表面に存在します。よって誤文です。ついでにペプチドホルモンの受容体は細胞表面にあり、ステロイドホルモンの受容体は細胞質内や核内にあること、また甲状腺ホルモンの受容体は核内にあることも思い出しておきましょう。

(5) 正文です。ノルアドレナリンは、神経系ではたとえば交感神経の末端から神経伝達物質として分泌されますし、内分泌系では、副腎髄質からホルモンとして分泌されます。




答えは(1)と(5)です。