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第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)

72 摂取した食物の消化管内における消化とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) トリプシンは、活性型の酵素たんぱく質として分泌される。
 (2) 膵液中のアミラーゼは、でんぷんを消化してオリゴ糖を生成する。
 (3) セクレチンは、ペプシンの分泌を促進する。
 (4) コレシストキニンは、膵臓からのHCO3-の分泌を促進する。
 (5) ガストリンは、胆嚢からの胆汁の分泌を促進する。



セクレチン、コレシストキニンおよびガストリンといった消化管ホルモンは、国家試験に頻出する項目ですので、どこから分泌されどこにどのような作用をするのかを、しっかりと覚えておきましょう。

(1) 間違いです。トリプシンは膵臓で合成され、不活性型のトリプシノーゲン(プロ酵素)として分泌され、小腸内で限定的加水分解を受け、活性型のトリプシンに変換されます。

(2) 正文です。膵液中のアミラーゼ(α-アミラーゼ)は、でんぷんやグリコーゲンなどの分子中のα-1,4グリコシド結合を1つおきに加水分解し、分解産物として主にマルトース(二糖類なのでオリゴ糖に属します)を生じます。

(3) セクレチンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、膵臓に作用して炭酸水素イオン(重炭酸イオン)に富んだ膵液の分泌を促進します。ペプシンの分泌は促進しません。

(4) コレシストキニンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、胆嚢の収縮を促し、胆汁の分泌を促進します。膵臓からのHCO3-の分泌は促進しません。

(5) ガストリンは、胃粘膜から分泌され、胃に作用して胃液の分泌を促進します。胆嚢からの胆汁の分泌は、促進しません。




答えは(2)です。