第24回 管理栄養士国家試験問題 問題22
以前から、管理栄養士国家試験の過去問のホームページを作っていましたが、解説がないため、いまひとつ物足りなかったと思います。せめて駒沢女子大学で私が担当している「生化学」関連の過去問だけでも、解説を加えたいと思います。

しかし、一度に全部の解説を作成するのは大変なので、今日からこまめに1問ずつ解説を加えていこうと思います。そのうちに解説を全部まとめて、使いやすい形にして公開することができると思います。

今日は手始めに、第24回 管理栄養士国家試験問題 問題22から始めます。


第24回 管理栄養士国家試験問題(平成22年3月)

22 たんぱく質の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。
(1) たんぱく質の変性とは、一次構造が破壊されることである。
(2) 補体は、補酸素として機能する。
(3) 受容体は、情報伝達物質の標的細胞に存在する。
(4) 酵素は、触媒する反応に必要なエネルギーを増大させる。
(5) 収縮たんぱく質は、それ自体の長さを短縮することで筋収縮を引き起こす。


答えは(3)です。

(1) たんぱく質の変性とは、一次構造(アミノ酸配列)は変化せず、立体構造(二次構造、三次構造および四次構造)が変化することを示します。高温、極端なpH変化(酸、塩基)や有機溶媒などによって、ポリペプチド鎖間の水素結合、イオン結合、疎水結合、ジスルフィド結合(S-S結合)などが壊れてたんぱく質の立体構造の変化が生じることを、「変性」といいます。

(2) 補体は、免疫反応に補助的な働きをする一群の血中たんぱく質です。補酵素とは全く異なります。

(3) 正文です。漠然とした文章ですのでわかりにくいのですが、ホルモンなどの例を考えるとわかりやすくなると思います。例えばインスリンの受容体は、インスリンの標的器官の一つである肝臓の細胞に存在すると考えると、正しいことがわかると思います。

(4) 酵素は、反応を起こすために必要なエネルギー(活性化エネルギー)を低下させることにより、触媒作用を発揮します。「増大」ではありません。なお、「酵素は活性化エネルギーを増大することによって、触媒作用を示す。」などという同様の誤文も出題されていますので、しっかりと確認しておきましょう。

(5) 収縮たんぱく質、すなわちアクチン線維とミオシン線維は、それ自体がゴムのように伸び縮みするのではありません。両者が相対的な位置関係を変える(ミオシン線維間にアクチン線維がスライディングする)ことにより、一つひとつの筋節(サルコメア)の短縮をきたし、筋収縮が生じます。この問題とは直接関係はありませんが、この筋収縮は、ATPの加水分解によるエネルギーで生じることや、カルシウムイオンを必要とすることなども、ついでに復習しておきましょう。
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