第24回 管理栄養士国家試験問題 問題28
第24回 管理栄養士国家試験問題(平成22年3月21日)

28 代謝とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1) アクアポリン(水チャンネル)は、ATPを加水分解する酵素である。
 (2) クエン酸回路には、基質と酸素分子との反応過程がある。
 (3) アンギオテンシン変換酵素は、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシノーゲンに変換する。
 (4) 脱共役たんぱく質(UCP)は、電子伝達とATP合成を脱共役させる。
 (5) ホスホジエステラーゼは、ATPを基質としてcAMP (環状AMP)を合成する。



答えは(4)です。

(1) 一見難しい問題のように見えますが、一般的にチャンネル(チャネル)とは何かが思い出せれば、さほど難しくありません。細胞膜にあるチャンネルは、膜内外の物質の濃度勾配にしたがって物質を透過させます。そのためエネルギーを必要としませんので、ATPを加水分解する必要がありません。濃度勾配に逆らって物質を輸送するナトリウムポンプやプロトンポンプなどのATP加水分解酵素(ATPアーゼ)と混同しないように気をつけましょう。

(2) これはよく出題される誤文ですので、しっかりと覚えておきましょう。クエン酸回路(TCAサイクル)では、基質が酸素分子で直接酸化される反応はありません。

(3) これは一瞬で誤文だと見抜きましょう。アンギオテンシノーゲンがアンギオテンシンに変換されることがあっても、逆はありえません。この時点ですでに誤文とわかります。アンギオテンシン変換酵素は主として肺において、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換する酵素です。レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系は、国家試験頻出項目の1つですので、しっかりと覚えておきましょう。

(4) 正文です。電子伝達系によってミトコンドリア内膜の内外にH+の濃度勾配が生じます。この濃度勾配によって生じる電気化学的ポテンシャルを利用して、ATPが合成されます。しかし、脱共役たんぱく質(Uncoupling Protein、サーモゲニン)は、このH+の濃度勾配を解消してしまいますので、電子伝達系が進行してもATPが合成されません。すなわち、電子伝達系とATP合成とを切り離す(脱共役する)作用を示します。

(5) ホスホジエステラーゼは、cAMPを「合成」ではなく、「分解」する酵素です。ホスホジエステル結合を加水分解します。逆にcAMPを合成する酵素は、アデニル酸シクラーゼ(アデニレートシクラーゼ)です。エステル結合を分解するのが「エステラーゼ」、「cyclicにする酵素」が「シクラーゼあるいはサイクラーゼ(cyclase)」と覚えましょう。
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