第24回 管理栄養士国家試験問題 問題29
第24回 管理栄養士国家試験問題(平成22年3月21日)

29 糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1) インスリンは、骨格筋でグルコース輸送体(GLUT4)に作用する。
 (2) 骨格筋では、グリコーゲンがグルコースに変換される。
 (3) アセチルCoAは、リンゴ酸と反応してクエン酸回路に入る。
 (4) ぺントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
 (5) アセチルCoAは、糖新生の基質となる。



答えは(1)です。

(1) 正文です。グルコース輸送体(GLUT、Glucose Transproter)には複数種のアイソフォームがありますが、GLUT4は骨格筋、心筋や脂肪組織に存在します。これらの組織にインスリンが作用すると、細胞膜におけるGLUT4の増加を来たし、グルコースの取り込みを促進します。

(2) 骨格筋では、グリコーゲンが加リン酸分解されてグルコース 1-リン酸を生じ、これが解糖系で利用されます。しかし、グルコース 1-リン酸が脱リン酸化されてグルコースになることはありません。(肝臓組織では上記の反応により、グリコーゲンからグルコースを供給することができますが、混同しないように注意しましょう。)

(3) 「リンゴ酸」ではなく「オキサロ酢酸」です。クエン酸回路(TCAサイクル)の主だった中間産物は、覚えておく必要があります。

(4) ペントースリン酸回路は、「ミトコンドリア」ではなく「細胞質ゾル」に存在する反応回路です。基本です。

(5) 誤文です。理由は少し難しいので、このまま「アセチルCoAは糖新生の基質にならない」と丸暗記しておきましょう。糖新生系とは、ピルビン酸やオキサロ酢酸などの糖質以外の物質からグルコースをつくり出す経路を示します。しかし、アセチルCoAが供給されても、ピルビン酸もオキサロ酢酸も増えませんので、上記のような結論となります。より詳しく説明すると、以下のようになります。
ピルビン酸からアセチルCoAができる反応は不可逆的ですので、アセチルCoAからはピルビン酸が生じません。また、アセチルCoAはクエン酸回路(TCAサイクル)によってオキサロ酢酸に変換されるように見えますが、このときアセチルCoAから供給される炭素数は2で、クエン酸回路の過程でCO2として放出される炭素数も2です。したがって、アセチルCoAの供給がオキサロ酢酸の産生につながるとはみなせません。
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