第23回 管理栄養士国家試験問題 問題25
第23回 管理栄養士国家試験問題(平成21年3月22日)

問題25 代謝調節に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)アデニル酸シクラーゼは、cAMP(環状AMP)の分解酵素である。
 (2)アドレナリンは、セカンドメッセンジャーである。
 (3)甲状腺ホルモンは、核内受容体を介して作用を発現する。
 (4)ホスホリパーゼは、リン脂質を合成する酵素である。
 (5)ホルモン感受性リパーゼの活性は、グルカゴンによって抑制される。



答えは(3)です。

(1) アデニル酸シクラーゼは、cAMPを分解するのではなく、合成する酵素です。シクラーゼ=サイクラーゼ、すなわちサイクリックにする酵素とわかれば、うっかり間違うことも少なくなると思います。

(2) 誤文です。アドレナリンは副腎髄質から分泌されるホルモンであり、また神経細胞末端から分泌される神経伝達物質でもあります。セカンドメッセンジャーとしての働きは知られていません。セカンドメッセンジャーというのは、cAMPのように、細胞膜表面で受容した刺激を二次的に細胞内で伝達する物質のことを指します。

(3) 正文です。甲状腺ホルモンやステロイドホルモンなどは、細胞内受容体(細胞質内の場合と核内の場合があります)に結合して、その機能を発揮します。特に甲状腺ホルモンの場合は、核内受容体に結合することを覚えておきましょう。ちなみに、ペプチド(たんぱく質)ホルモンの場合には、標的器官の細胞膜上の受容体に結合し、セカンドメッセンジャーを介してその生理的機能を発揮します。このこともついでに思いだしておきましょう。

(4) ホスホリパーゼは、リン脂質を合成するのではなく、加水分解する酵素です。たとえばプロテアーゼはプロテイン(たんぱく質)を分解する酵素、リパーゼはリピッド(脂質)を分解する酵素ということを連想すれば、ホスホリパーゼはホスホリピッド(リン脂質)を分解する酵素だと気付くかもしれません。

(5) グルカゴンによって「抑制」ではなく「促進」されます。ホルモン感受性リパーゼは、脂肪組織の脂肪細胞内に存在する酵素です。絶食時(飢餓時)等にグルコース不足を補うために活性化され、脂肪組織のトリアシルグリセロールを加水分解し、脂肪酸をエネルギー源として供給します。したがって、低血糖になった時に分泌されるグルカゴンやアドレナリンなどによって活性化され、逆に高血糖になった時に分泌されるインスリンによって抑制されます。
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