第23回 管理栄養士国家試験問題 問題85
第23回 管理栄養士国家試験問題(平成21年3月22日)

問題85 カルシウム代謝に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1)血中カルシウム濃度が低下すると、骨からのカルシウム放出が抑制される。
 (2)血中カルシウム濃度が低下すると、尿細管でのカルシウムの再吸収が抑制される。
 (3)血中カルシウム濃度が低下すると、活性型ビタミンDの産生が抑制される。
 (4)カルシウム摂取が不足すると、腸管からのカルシウムの吸収が促進される。
 (5)カルシウムを大量に摂取しても、過剰症は起こらない。




答えは(4)です。

この問題を考えるときには、まず血中カルシウム濃度を上げたり下げたりすることのできる部位を考える必要があります。これは、小腸、腎臓および骨です。たとえば、血中カルシウム濃度を上げる(維持する)には、小腸からのカルシウム吸収を高め、腎臓からの排出を抑え(尿細管でのカルシウムの再吸収を高め)、骨からのカルシウムの動員(これを骨吸収といいます)を高める方向での生理的変化が起こります。また、血中カルシウム濃度を下げるには、上記とは逆の生理的変化が起こることになります。

(1) 血中カルシウム濃度が低下すると、これを上昇させる方向の生理的変化が生体に生じます。すなわち骨からのカルシウム放出(骨吸収)は促進されます。よって誤文です。

(2) 上記(1)と同様の理由で、腎臓の尿細管におけるカルシウムの再吸収は促進され、血中カルシウム濃度を維持する方向に変化します。よって誤文です。

(3) 上記(1)と同様の理由で、活性型ビタミンDの生産が促進され、小腸からのカルシウム吸収を高める方向に変化します。よって誤文です。

(4) カルシウム摂取が不足すると、血中カルシウム濃度が低下しますので、これを高めるために小腸からのカルシウム吸収が促進されます。より詳しくは、血中カルシウム濃度の低下により、副甲状腺ホルモン(パラトルモン、PTH)が分泌され、その作用によりビタミンDの活性化が促進され、小腸でのカルシウム吸収が促進されます。

(5) カルシウム過剰症としては、腎結石などが知られています。よって誤文です。

もしもゆとりがあれば、カルシウム代謝調節に関わる3種類のホルモン、パラトルモン(PTH) 、活性型ビタミンD 、カルシトニンについて、その産生分泌器官と働きについて復習しておきましょう。
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック