第22回 管理栄養士国家試験問題 問題22
第22回管理栄養士国家試験  平成20年3月23日(日)

22 アミノ酸に関する記述である。誤っているのはどれか。

 (1) セリンは、リン脂質の構成成分の1つである。
 (2) γ-カルボキシグルタミン酸は、ビタミンK依存性の翻訳後修飾により合成される。
 (3) ロイシンは、分枝(分岐鎖)アミノ酸の1つである。
 (4) グルタミン酸は、神経伝達物質である。
 (5) アラニンは、フェニルアラニンの前駆体である。


(1) 代表的なリン脂質を思い出しましょう。ホスファチジルコリン(レシチン、PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)などがありますね。よって正文です。

(2) γ-カルボキシグルタミン酸は、タンパク質中のグルタミン酸残基が、ビタミンK依存的にカルボキシル化されることにより作られます。すなわち、メッセンジャーRNA(mRNA)の塩基配列を基にポリペプチド鎖が合成された後に(= 翻訳後に)化学的な修飾が起こりますので、正文です。γ-カルボキシグルタミン酸残基を含む代表的なタンパク質としては、肝臓で合成される血液凝固因子であるプロトロンビン(血液凝固第Ⅱ因子)が挙げられます。ビタミンKが欠乏すると出血傾向が起こる理由は、もうわかりますね。

(3) バリン、ロイシン、イソロイシンは、いずれもその炭素骨格に分岐が見られますので、分岐アミノ酸あるいは分枝鎖アミノ酸(Branched chain amino acid, BCAA)と呼ばれます。よって正文です。

(4) グルタミン酸は、興奮性の神経伝達物質ですので正文です。これは有名ですので忘れないように。

(5) ヒトを含む動物ではフェニルアラニンは必須アミノ酸で、体内では合成されませんので、すぐに誤文とわかります。
(しかしこの問題では、「ヒトの場合」あるいは「動物細胞では」などと書いてありませんので、動物、植物、菌類などすべての場合を考える必要があるかもしれません。ちなみに植物の場合にはプレフェン酸からフェニルアラニンが合成されますので、やっぱり誤文です。菌類などの他の生物におけるフェニルアラニン合成経路については、私にはわかりません。出題者の意図としてはヒトを対象としているように思われますが、「動物では」とか「ヒトでは」と限定していただいた方が、管理栄養士国家試験の問題として丁寧だと思います。)


答えは(5)です。
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