第22回 管理栄養士国家試験問題 問題25
第22回管理栄養士国家試験  平成20年3月23日(日)

25 代謝経路とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。

 (1) 同一の基質に作用し、異なる反応産物を生じる酵素は互いにアイソザイムという。
 (2) 律速酵素(鍵酵素)とは、代謝経路で反応速度の最も速い段階を触媒する酵素のことをいう。
 (3) たんばく質リン酸化酵素は、プロテインホスファターゼと呼ばれる。
 (4) カルモジュリンは、 Ca2+をセカンドメッセンジャーとする情報伝達系に関与する。
 (5) 脂肪酸の合成は、ミトコンドリア内で行われる。


(1) アイソザイムとは、同一の化学反応を触媒する異なる酵素のことを指します。例えば、「唾液アミラーゼと膵液アミラーゼはアイソザイムである」と言います。したがって、同一の基質に作用し同一の反応産物を生じます。つまり誤文です。国家試験において、アイソザイムは数年に一度出題されています。油断せず確認しておきましょう。(余計な知識ですが、アイソザイムは一般にアミノ酸配列が似ています。先の唾液アミラーゼと膵液アミラーゼとでは、そのアミノ酸配列の98%は同一です。)

(2) 律速酵素(鍵酵素、キーエンザイム)とは、一連の代謝経路の中で反応速度の最も遅い段階を触媒する酵素のことを指します。したがって誤文です。最も反応の遅い部分が、最終産物の合成速度を決定しますので、重要性が高く、代謝速度を操る鍵(キー)となります。例えばコレステロールの生合成過程の律速酵素は、HMG-CoA レダクターゼ(HMG-CoA 還元酵素)ですが、ここを阻害する薬(メバロチンなど)はコレステロールの合成を有効に抑えることができます。

(3) たんばく質リン酸化酵素はプロテインキナーゼで、脱リン酸化酵素がプロテインホスファターゼです。したがって誤文です。ちなみに、これらの酵素が酵素たんぱく質をリン酸化したり脱リン酸化したりすることにより、その酵素活性を調節している例が多々あることも、イメージできるようにしておきましょう。

(4) 正文です。カルモジュリンは、多種多様な細胞に存在するカルシウム結合たんぱく質で、細胞内Ca2+濃度の上昇に伴いCa2+と結合し、たんぱく質リン酸化酵素の活性化などの生理的変化に関与する。すなわちCa2+をセカンドメッセンジャーとする情報伝達系に関与すると言える。

(5) 脂肪酸のβ酸化による分解はミトコンドリア内で起こりますが、脂肪酸の合成は細胞質ゾルで進行します。よって誤文です。このように、種々の代謝経路が細胞内のどこで起きるのかを確認しておくことは重要です。脂肪酸代謝の他にも、解糖系、クエン酸回路(TCAサイクル)、ペントース-リン酸経路、尿素回路(オルニチンサイクル)なども、どこで起きるのか復習しておきましょう。



答えは(4)です。
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