第25回 管理栄養士国家試験問題(追加試験) 問題24
第25回管理栄養士国家試験(追加試験,平成23年7月31日)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

24 代謝とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。

  (1) グルカゴンは、糖新生を抑制する。
  (2) トリヨードチロニン(T3)は、核内受容体に結合する。
  (3) フィブリンは、プロトロンビンをトロンビンに変換する。
  (4) レニンは、アンギオテンシンⅠをアンギオテンシンⅡに変換する。
  (5) ピルビン酸脱水素酵素は、フルクトース 6-リン酸によるフィードバック制御を受ける。




答えは(2)です。

(1) 誤文です。これは、グルカゴンが血糖値を上昇させる働きをもつことと、糖新生は血糖値を上げることがわかっていれば、すぐにおかしいと気付くはずです。グルカゴンは、糖新生を促進して血糖値を上昇させる働きを示します。この機会に、グルカゴンが肝臓のグリコーゲンの加リン酸分解を促進して、血糖値を上昇させることも復習しておきましょう。

(2) まずトリヨードチロニン(T3)とは何かがわかる必要があります。これは、甲状腺ホルモンの一種ですね。甲状腺ホルモンには、ヨウ素が4つ結合したチロキシン(サイロキシン、T4)と、ヨウ素が3つ結合したトリヨードチロニン(トリヨードサイロニン、T3)とがあります。そしてもう一つ覚えておくべきことは、「甲状腺ホルモンは、核内受容体に結合して作用を発揮する」ということです。すなわち、甲状腺ホルモンは標的細胞の細胞膜を通過して細胞内に入り、核内の受容体に結合することを記憶しておきましょう。これは2~3年に1回、国家試験に出題されているような気がします。

(3) 血液凝固反応の最後の段階を思い出しましょう。プロトロンビンがトロンビンに変換され、生じたトロンビンがフィブリノゲンを加水分解して、不溶性のフィブリンを生じ、血液凝固を引き起こします。よって誤文です。

(4) レニン-アンギオテンシン系は、毎年のように国家試験に出題される頻出項目ですので、しっかりと覚えておきましょう。レニンは、アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換します。よって誤文です。
ついでにアンギオテンシノーゲンは肝臓で合成されること、レニンは腎臓の傍糸球体細胞(傍糸球体装置)から分泌されること、アンギオテンシンⅠは肺で変換酵素によってアンギオテンシンⅡに変換されること、アンギオテンシンⅡはアルドステロンの分泌を促すとともに、血圧上昇を促すことなども、しっかりと覚えておきましょう。

(5) ピルビン酸脱水素酵素は、ピルビン酸からアセチルCoAを生じる酵素です。代謝経路上は、解糖系で作られたピルビン酸がTCAサイクルに入る入口部分に位置します。この酵素は、生成物であるアセチルCoAやNADHによってフィードバック阻害を受けます。
 フィードバック制御というのは、代謝産物が反応経路をさかのぼって制御することを指しますが、フルクトース 6-リン酸は解糖系のかなり上流に位置する中間産物です。したがって、ピルビン酸の脱水素反応をフィードバックすることはありえませんので、誤文です。
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