第25回 管理栄養士国家試験問題(追加試験) 問題26
第25回管理栄養士国家試験(追加試験,平成23年7月31日)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

26 脂質の性質とヒト体内における役割に関する記述である。正しいのはどれか。

  (1) ステアリン酸は、多価不飽和脂肪酸である。
  (2) トリアシルグリセロールは、両親媒性物質である。
  (3) パルミチン酸は、プロスタグランジンの前駆体となる。
  (4) ホスファチジルコリンは、リポたんぱく質の構成成分となる。
  (5) コレステロールは、身体活動のためのエネルギー源として利用される。





答えは(4)です。

(1) ステアリン酸は、代表的な飽和脂肪酸です。すなわち、炭化水素鎖(アルキル基)内に二重結合をもたない脂肪酸です。よって誤文です。

(2) まず、「両親媒性物質」の意味がわかるかどうかが大切です。両親媒性物質とは、ホスファチジルコリン(=レシチン)等のリン脂質に代表されるように、その分子内に親水性部位と疎水性部位(親油性部位)との両方をもっている物質のことをいいます。そのため、両親媒性物質は乳化作用や界面活性作用を示します。
 問題文にあるトリアシルグリセロールは疎水性を示す物質で、親水基をもちませんので、両親媒性物質ではありません。したがいまして誤文です。

(3) プロスタグランジンは、必須脂肪酸であるリノール酸やα-リノレン酸から、アラキドン酸やエイコサペンタエン酸などを経て合成されます。パルミチン酸は、プロスタグランジンの前駆体とはなりえませんので、誤文です。

(4) 正文です。ホスファチジルコリンなどのグリセロリン脂質は、リポたんぱく質の構成成分です。ちなみに、リポたんぱく質は、水に溶けない脂質が血液中やリンパ中を移動するための仕組みであり、アポたんぱく質と各種の脂質から成ることを、確認しておきましょう。

(5)エネルギーを産生するためにコレステロールが利用されることはありません。よって誤文です。コレステロールは、胆汁酸やステロイドホルモンを合成するための材料として重要です。
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