第25回 管理栄養士国家試験問題(追加試験) 問題80
第25回管理栄養士国家試験(追加試験,平成23年7月31日)
基礎栄養学

80 糖質の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。
 (1) 血糖値が上がると、筋肉のグリコーゲンの分解が促進される。
 (2) 絶食時には、肝臓ではアミノ酸がグルコースに変換される。
 (3) 絶食時には、筋肉からグルコースが放出される。
 (4) 糖質の摂取量が多いと、たんぱく質がエネルギー源として利用されやすい。
 (5) 糖質の摂取量が多いと、ビタミンB6の必要量が増す。




答えは(2)です。

(1) 血糖値が上がると、生体はこれを正常値に戻そうとします。したがって、グルコースをグリコーゲンとして合成・貯蔵することにより、血糖値を下げる方向にシフトします。よって誤文です。より詳しくは、血糖値上昇によって膵臓ランゲルハンス島B(β)細胞からインスリンが分泌され、これが筋細胞に作用して、グルコースの取り込みとグリコーゲンの合成を促進します。

(2) 正文です。絶食時(飢餓時)には、生命を維持するために筋組織のたんぱく質が分解され、アラニンなどのアミノ酸が血中に放出されます。このアミノ酸を材料として、肝臓でグルコースが合成されます。すなわち、糖新生が起こります。

(3) 筋組織は、グルコースをつくり出して供給することができませんので、誤文です。筋組織では、グリコーゲンからグルコースをつくり出すことができませんし、また、糖新生を行うこともできません。グリコーゲンからグルコースをつくり出したり、糖新生を行うことができる組織は、肝臓と腎臓しかない(主として肝臓)ことを、しっかりと覚えておきましょう。

(4) たんぱく質は、生体内において熱量素としても働きますし、体を構成するたんぱく質の合成にも使われます。糖質の摂取量が十分であれば、たんぱく質は体を構成するたんぱく質の合成に使われる割合が増し、エネルギー源として使われる割合が減少します。よって誤文です。

(5) 糖質の摂取量が多い時、一般にはビタミンB1の必要量が増します。解糖系で生じたピルビン酸がアセチルCoAに変換されるとき、ビタミンB1の活性型であるチアミンピロリン酸(TPP)が必要とされることは、しっかりと覚えておきましょう。ちなみに、たんぱく質の摂取量が多く、アミノ酸代謝が盛んになると、アミノ基転移反応を触媒するアミノトランスフェラーゼの働きが高まり、その補酵素としてピリドキサルリン酸が使われますので、ビタミンB6の必要量が増加します。
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