第25回 管理栄養士国家試験問題(追加試験) 問題89
第25回管理栄養士国家試験(追加試験,平成23年7月31日)
基礎栄養学

89 遺伝形質と栄養に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
 a エネルギー代謝に関与する遺伝子の中には、多型が見られるものがある。
 b 肥満と関連する遺伝子の多型は、次の世代に遺伝しない。
 c 個人の遺伝子型は、食生活によって変化する。
 d 生活習慣病の発症には、遺伝素因が関与する。

 (1) aとb  (2) aとc  (3) aとd  (4) bとc  (5) cとd




答えは(3)です。

(a) ○ 有名な例としては、β3‐アドレナリン受容体の多型があります。エネルギーを効率よく使える遺伝子が、飢餓の時代にあっては有利に働き、一方、飽食の時代にあっては肥満を招き、不利に働くことの例として挙げられます。
 テクニックの話になりますが、この文章のように「・・・・・が見られるものがある。」で終わる文章は、常識的にほぼ正文と考えていいと思います。なぜなら、これを否定するためには「エネルギー代謝に関与する遺伝子の中には、多型が全くない」ことが必要となり、これは証明がほぼ不可能だからです。

(b) × 一般的に、遺伝子の多型は遺伝します。肥満や生活習慣病などの疾病そのものは遺伝しませんが、それらの疾病にかかりやすい体質、すなわち遺伝子の多型は遺伝します。

(c) × 原則として遺伝子型は、食生活その他の後天的な要因によっては変化しません。親からの遺伝によって決定します。もちろん、食物中に含まれる変異原性物質によって、遺伝子そのものに突然変異が生じることはありますが、このような変化は一般に「遺伝子型の変化」とはいいません。

(d) ○ 上記の(b)の解説とも関連しますが、生活習慣病そのものは遺伝しないものの、生活習慣病を発症しやすい体質は遺伝します。生活習慣病の発症は、遺伝的要因と環境的要因の両者の影響を受けます。同じ食生活をしていても、生活習慣病にかかる人とそうでない人が生じる理由として、この遺伝素因を意識することは重要です。
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