第30回管理栄養士国家試験 問題70 平成28年3月20日(日)
70 遺伝子多型と倹約(節約)遺伝子に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
 (1) フェニルケトン尿症は、遺伝子多型によって発症する。
 (2) 遺伝子多型の出現頻度には、人種差は存在しない。
 (3) 倹約(節約)遺伝子とは、体脂肪の蓄積しやすい体質を生む遺伝子である。
 (4) 倹約(節約)遺伝子仮説を唱えたのは、リネン((Lynen F)である。
 (5) 脱共役たんぱく質(UCP)遺伝子は、倹約(節約)遺伝子の候補である。




(1) フェニルケトン尿症は、完全な遺伝病(先天性代謝異常)です。そして、はっきりとした病状が現れます。遺伝子多型とは、遺伝子に生じた塩基配列の変異のうち、表現型に明瞭な変化を及ぼさないものを指しますので、これは誤文です。また一般に、遺伝子多型はある集団の1%以上の頻度のものと指しますので、その点でも誤りとわかります。

(2) 遺伝子多型の出現頻度には、人種間差異が認められます。これはこのまま覚えましょう。具体例までは覚えておかなくていいと思いますが、たとえばアルデヒドデヒドロゲナーゼ2やβ3アドレナリン受容体の遺伝子多型には、明瞭な人種間差異が認められます。

(3) 正文です。倹約(節約)遺伝子とは、エネルギー消費を抑える方向で作用する遺伝子のことを指します。したがって、エネルギーの摂取量や活動量が同じならば、脂肪が蓄積しやすい(言いかえれば肥満しやすい)体質につながると考えられます。下の(5)も関連しますので、合わせて理解しましょう。

(4) リネンではなく、ニールです。

(5) 正文です。脱共役たんぱく質(UCP, Uncoupling protein)遺伝子は、電子伝達系と酸化的リン酸化(ATP合成)とを切り離す(脱共役する)作用を示します。この作用により、生体内で産生したエネルギーはATP合成には使われず、熱として放散されます。したがって、この遺伝子に変異が生じてその機能が低下すれば、エネルギー消費を抑えることになります。そのため、倹約(節約)遺伝子だと目されています。できれば理論的に覚えておきたいところですが、苦手な人は丸暗記でもいいので覚えておきましょう。





答えは(3)と(5)です。
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