第31回管理栄養士国家試験 問題19 平成29年3月19日(日)
19 核酸およびたんぱく質の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) アデノシン3ーリン酸(ATP)は、ヌクレオチドである。
 (2) イントロンは、RNAポリメラーゼにより転写されない。
 (3) アミノ酸を指定するコドンは、20種類である。
 (4) たんぱく質の変性では、一次構造が変化する。
 (5) プロテインキナーゼは、たんぱく質脱リン酸化酵素である。




(1) 正文です。塩基のアデニン(A)と糖のリボースとが結合したアデノシンに、リン酸が3つ結合したヌクレオチドです。ちなみに、リン酸を含まず、塩基とリボースあるいはデオキシリボースから成る物質はヌクレオシドと呼ばれます。1文字違いでまぎらわしいので、気をつけましょう。

(2) まず、ヒトなどの真核生物では、遺伝子がエクソンとイントロンとに分かれていることを思い出しましょう。いずれの部分も転写されてmRNA(メッセンジャーRNA)前駆体が合成されますが、このときに働く酵素がRNAポリメラーゼです。次にこのmRNA前駆体のイントロン相当部が切り捨てられ、エクソン相当部だけがつなぎ合わされて成熟mRNAが完成しますが、このプロセスはスプライシングと呼ばれます。つまり、イントロン部分も転写されますので、正文ということになります。(この選択肢のように、語尾が「・・・ない」と否定形で終わっている少し不自然な文章は、ほとんど誤文であることが多いです。)

(3) コドン自体は4×4×4で64種類ありますが、このうちアミノ酸を指定しない終始コドンが3種類ありますので、アミノ酸を指定するコドンは61種類となります。ただし、ここまで正確に覚えていなくても、たんぱく質を構成する普通のアミノ酸は20種類であるのに対しコドンは64種類近くあり、アミノ酸と1対1対応はしていないことを思い出せれば、簡単に誤文と判断できると思います。

(4) よくある誤文です。たんぱく質の変性では、たんぱく質の一次構造(すなわちアミノ酸の配列順序)は変化せず、二次構造~四次構造の高次構造が(不可逆的に)変化します。この立体構造の変化によって、たんぱく質が元と異なる性質を示すようになることを変性といいます。

(5) プロテインキナーゼは、たんぱく質をリン酸化する(たんぱく質にリン酸を付ける)酵素です。脱リン酸化(たんぱく質からリン酸をはずす)ではありません。これは必ず覚えておきましょう。また、「脱」の1文字が余分なだけの誤文ですので、うっかり見落として正文と勘違いしないように注意しましょう。



答えは(1)です。
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