第31回管理栄養士国家試験 問題23 平成29年3月19日(日)
23 糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) グリコーゲンホスホリラーゼは、グリコーゲンを加水分解する。
 (2) 肝細胞内cAMP(サイクリックAMP)濃度の上昇は、グリコーゲン合成を促進する。
 (3) グルコース-6-ホスファターゼは、筋肉に存在する。
 (4) ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。
 (5) 糖新生は、インスリンによって抑制される。




この問題では、(5)がわかりやすい正文ですので、まずこれを選んで、念のために他が誤文であることを確認するのが良いと思います。特に(2)の正誤の判定がやっかいかもしれませんが、自信をもって(5)が選べれば、迷う必要もありません。

(1) うっかりすると正文と勘違いしそうになりますが、加水分解ではなく、加リン酸分解ですので誤文です。

(2) 難問だと思います。肝細胞内のcAMP濃度が上昇すると、cAMP依存性のプロテインキナーゼ(Aキナーゼ)が活性化され、グリコーゲンシンターゼ(グリコーゲン合成酵素)やグリコーゲンホスホリラーゼがリン酸化されます。リン酸化によって前者は活性が低下し、後者は活性が上昇しますので、その結果、グリコーゲンの合成が抑えられ、加リン酸分解が促進されます。よって誤文です。

(3) よくある誤文です。グルコース-6-ホスファターゼは、ほぼ肝臓にしかないと覚えておきましょう。グリコーゲンが加リン酸分解されてグルコース-1-リン酸ができ、これがグルコース-6-リン酸に変換され、これにグルコース-6-ホスファターゼが作用すると、グルコースが生じます。よって、肝臓のグリコーゲンは血糖の補充に使われますが、筋肉のグリコーゲンは血糖には変換されません。

(4) これもよくある誤文です。NADHではなく、NADPHです。両者の違いは、リン酸(P)を含むかどうかだけで似ていますが、異なる物質ですので注意しましょう。このNADPHは、脂肪酸やコレステロールの生合成に使われることも、思い出しておきましょう。

(5) わかりやすい正文だと思います。インスリンは血糖値を下げるホルモンですので、糖新生は当然抑制されます。そもそもインスリンは、血糖値が高い時に放出されるホルモンですので、糖新生の必要がありません。こう考えても、正文だということがわかると思います。




答えは(5)です。
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