定期試験の正答発表の方法について
私が担当している「生化学Ⅱ」の筆記試験は、本日の授業でお知らせしたとおり、来年1/29~2/3の定期試験期間中に行います。今日の説明では、「試験終了後すぐに正答を研究室前に貼り出す」とお話ししましたが、もしかするとこのブログで正答を発表した方が、見に来る手間が省けるかもしれませんね。例えばこんなふうに示すのはどうでしょうか。

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今日の模試の正答は、以下のとおりです。
問題1・・・4 (4点)
問題2・・・2 (4点)
問題3・・・1,5 (各2点)
問題4・・・3 (4点)
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そして、持ち帰ってもらう試験問題用紙に、このブログのURLをQRコードにして印刷しておけば、便利かもしれませんね。
QR_Code1514202082.jpg


あるいはもっと直接的に、正答を受験者全員のkomajoアドレスにメール配信する方が良いかもしれません。(全員が、komajoのメールをスマホ/携帯に転送するよう設定していればですが。)

まだしばらく日数がありますので、最善の方法を考えてみます。


第31回管理栄養士国家試験 問題79 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題79 平成29年3月19日(日)

79 脂質の臓器間輸送に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) カイロミクロンは、肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送する。
 (2) VLDLのコレステロール含有率は、LDLより大きい。
 (3) LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みは、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与する。
 (4) 末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みは、リポタンパク質リパーゼ(LPL)が関与する。
 (5) 脂肪組織から血中に放出された脂肪酸は、アルブミンと結合して輸送される。




(3)と(4)の誤文の判定が難しいと思います。比較的わかりやすい(5)を正文と判定して、切り抜けたい問題です。血中において遊離脂肪酸は血清アルブミンに結合して輸送されることを、しっかりと覚えておきましょう。

(1) 肝臓で合成されたトリアシルグリセロールを輸送するのは、カイロミクロンではなくVLDLです。カイロミクロンは、主に食事由来のトリアシルグリセロールを小腸から他の器官に輸送します。

(2) 誤文です。LDLのコレステロール含有率は、リポタンパク質の中で最大です。

(3) LDLのコレステロールの末梢細胞への取り込みには、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)は関与していません。関与しているのは、LDL受容体です。[あるいは、LDLが細胞に取り込まれた後にリソソームで分解されて生じたコレステロールをエステル化する、アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)との勘違いを狙った問題でしょうか?]

(4) 末梢細胞のコレステロールのHDLへの取り込みには、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)が関与しています。LCATは、組織や血液中の遊離コレステロールをエステル化することにより、HDL中への取り込みに関与します。

(5) 正文です。脂肪酸は、リポたんぱく質によってではなく、血清アルブミンと結合して輸送されます。これはこのまま覚えておきましょう。




答えは(5)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題78 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題78 平成29年3月19日(日)

78 炭水化物の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) コリ回路では、アラニンからグルコースが産生される。
 (2) 空腹時には、糖原性アミノ酸からグルコースが産生される。
 (3) 組織へのグルコース取り込みは、コルチゾールによって促進される。
 (4) 健常者では、食後2時間で、血糖値が最大となる。
 (5) 血糖値が低下すると、脂肪組織のトリアシルグリセロールの分解は抑制される。




(1) 誤文です。コリ回路では、乳酸からグルコースが産生されます。より詳しくは、無酸素運動によって筋組織中で生成された乳酸が血流によって肝臓に運ばれ、そこでグルコースに変換され、再び血流によって筋組織に運ばれ利用されるという回路です。

(2) 正文です。空腹時には血糖値が低下しますので、生体は何とかしてグルコースをつくって血糖を補おうとします。肝臓では貯蔵しているグリコーゲンを分解して血糖を補います。また糖以外の物質からグルコースを合成する(すなわち糖新生を行う)原料としては、糖源性アミノ酸や上記(1)の乳酸、トリアシルグリセロールの分解などで生じるグリセロールが利用されます。

(3) コルチゾールは、代表的な糖質コルチコイド(グルココルチコイド)で、血糖値を上昇させる方向に働くホルモンです。組織内へのグルコースの取り込みを促進すると、血糖値を下げることになりますので、おかしいと気づく必要があります。コルチゾールは組織へのグルコースの取り込みを阻害しますので、誤文です。

(4) 2時間は長すぎますね。食後2時間ですと、食後一旦上昇した血糖値が平常値まで戻っているころです。よって誤文です。

(5) 逆です。上の(2)の解説にも記したとおり、血糖値が低下すると脂肪組織中のトリアシルグリセロールの分解が亢進し、グリセロールは糖新生の材料となり、また、脂肪酸はエネルギー源として利用されます。脂肪組織中のトリアシルグリセロールが飢餓時に備えたエネルギーの貯蔵体であることを思い起こせば、特にホルモン感受性リパーゼなどを思い出さなくても、容易に誤文と判断できると思います。




答えは(2)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題72 平成29年3月19日(日)

72 摂取した食物の消化管内における消化とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) トリプシンは、活性型の酵素たんぱく質として分泌される。
 (2) 膵液中のアミラーゼは、でんぷんを消化してオリゴ糖を生成する。
 (3) セクレチンは、ペプシンの分泌を促進する。
 (4) コレシストキニンは、膵臓からのHCO3-の分泌を促進する。
 (5) ガストリンは、胆嚢からの胆汁の分泌を促進する。



セクレチン、コレシストキニンおよびガストリンといった消化管ホルモンは、国家試験に頻出する項目ですので、どこから分泌されどこにどのような作用をするのかを、しっかりと覚えておきましょう。

(1) 間違いです。トリプシンは膵臓で合成され、不活性型のトリプシノーゲン(プロ酵素)として分泌され、小腸内で限定的加水分解を受け、活性型のトリプシンに変換されます。

(2) 正文です。膵液中のアミラーゼ(α-アミラーゼ)は、でんぷんやグリコーゲンなどの分子中のα-1,4グリコシド結合を1つおきに加水分解し、分解産物として主にマルトース(二糖類なのでオリゴ糖に属します)を生じます。

(3) セクレチンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、膵臓に作用して炭酸水素イオン(重炭酸イオン)に富んだ膵液の分泌を促進します。ペプシンの分泌は促進しません。

(4) コレシストキニンは、十二指腸や空腸粘膜から分泌され、胆嚢の収縮を促し、胆汁の分泌を促進します。膵臓からのHCO3-の分泌は促進しません。

(5) ガストリンは、胃粘膜から分泌され、胃に作用して胃液の分泌を促進します。胆嚢からの胆汁の分泌は、促進しません。




答えは(2)です。
第31回管理栄養士国家試験 問題33 平成29年3月19日(日)
第31回管理栄養士国家試験 問題33 平成29年3月19日(日)

33 腎臓での水・電解質調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
 (1) バソプレシンは、水の再吸収を抑制する。
 (2) カルシトニンは、カルシウムの再吸収を促進する。
 (3) 副甲状腺ホルモン(PTH)は、リンの再吸収を抑制する。
 (4) 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの再吸収を促進する。
 (5) アルドステロンは、カリウムの排泄を抑制する。




この問題では、腎臓における尿の生成を正しく理解していないと、正答に行きつくことが難しくなります。特に尿細管や集合管における再吸収を思い出す必要があります。
腎動脈から流入した動脈血は、糸球体からボーマンのうにこし出され、原尿となって尿細管を通り、集合管に集められます。この間に原尿中の必要な成分は、尿細管や集合管から血液中に輸送されますが、これを再吸収といいます。原尿のうち、再吸収されなかった成分が集合管から腎盂に集められ、尿として体外に排出されます。したがって一般的には、再吸収促進=排出抑制、再吸収抑制=排出促進、という関係になります。

(1) 逆です。バソプレシンは抗利尿ホルモンですので、尿量を減らします。つまり腎臓の尿細管や集合管における水の再吸収を促進します。

(2) カルシトニンは、腎臓におけるカルシウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進します。よって誤文です。カルシトニンが血中カルシウム濃度の低下を促すホルモンであることを覚えていれば(これは覚えておいてください)、再吸収を促進するのはおかしいと気づきますよね。

(3) 正文です。副甲状腺ホルモン(PTH)は、カルシウムの再吸収を高めて排泄を抑制し、逆にリンの再吸収を抑制して排泄を促します。

(4) 逆です。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を高めます。

(5) これも逆です。アルドステロンは、ナトリウムの再吸収を高めて排泄を抑制し、カリウムの再吸収を抑制して排泄を促します。



答えは(3)です。